隣りの女 旅芝居と旅芝居のお客さんと向田邦子描くサチ子のこと
通りがかった書店で、
いや書店というのも違うな、
大型スーパーの一角に設置された本売り場の、
文庫本のコーナーに
なぜか1冊だけ表紙を見せて立てられている本があった。
目が行った。
大好きな向田邦子の書いた、『隣りの女』。
こんなところでお会いできるなんてうれしいですね。
しかしなぜこんなところに目立つように置かれているの?
私、この本、
本作のヒロインを、
読んだ時からずっと「旅芝居の客席にいる〝どっぷり〟なお客さん」って思っています。(以下は過去記事)
話の中で「例え」として登場するのが、西鶴(近松)が描いた「おさん」だからというだけじゃない。
いや、どっぷりはどっぷりでも直接的な意味でもない。
そういうことじゃない。
そういうこともあるかもしれないしその人そのことを否定はしない。
(肯定するかどうか、も、わからないけれど)
でも、劇場に来てどっぷりハマるようなお客さんをみていると、
ふと、このヒロイン「サチ子」みたいだな、
サチ子をとりまく皆のようだな、
と思ったことが少なくはない、今でもだ。
直接的な意味ではなく、「精神的な」意味で、というと伝わるかなあ?
っていうのを、役者と業界にのめり込んでいるお客さんのひとりに言ったら嫌な顔をされたこともあった。
「あんな大人にはなりたくありません」「向田邦子ってなんか嫌ですよね」
彼女はヒロインよりも私よりも年上なのだが。
でも思った。
たぶん、これ、逆に、作者や作品への褒め言葉やなあ、とも、しみじみと。
日常があって、ちょっとグラッとあちらに行って。
でも、また、戻ってくる。
でも、なんであの場所に、
新刊でもないのに1冊だけ目立つように置いてあったんやろう。
ちょっと勝手にドラマを想像したりしてしまいますね。
この本が故に。
*
ドラマ『向田邦子 イノセント』というのもありました。
思い出して検索したらなんとまあ2012年放送(WOWOW)。
ちょっと、センセィショナル(ィ。笑)に切り取りすぎかな、とも思ったけれど、各監督の気合いの入った「私の向田邦子物語」がおもしろかった。
4つの短編を現代的な解釈でということで、
観て「んー?」とか「おいおい」とかも結構ある。
でも「そう作るのか」って面白くもあった。
第1話がまさに『隣りの女』なんです。
設定そうする? えー。ん?! んー?! 西鶴ぜんぜん出てけーへんやん(笑)
でも、「なるほどなあ」とか「テーマはこれや(もん)なあ」ってなって、
これはこれで、印象深くありました。
だから、向田邦子ってすごいよなあ、ほんま、ほんまにすごいよなあ、
って、今更こんなところで私が言うのもおかしすぎるけど(笑)
なにより、このキャスティング。よくないですか?
情念なんて言葉は使わないよ。使いたくない。
でも、これ、寺島しのぶ(&北村有起哉)をキャスティングした時点で「わあ!」でしょう?
今調べたらこの回の監督はタナダユキ! めちゃくちゃ納得!
落語心中! マイ・ブロークン・マリコ!(←こないだ観たとこ!)
*
激烈に若書きな過去Blog(2011)に書いた向田邦子話、の一部
*
若い頃、フザケて「わしは西鶴の生まれ変わり」って言うてました(笑)
近松じゃなく、西鶴。
大好きなおせいどんこと田辺聖子の影響です(笑)
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昨年、アンソロジーを読んだ。
憧れの水羊羹、買いに行ったよの話(笑)
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以下は、ちょろっとですがいつもの自己紹介 。
と、苦手なりにもSNSあれこれ紹介、連載などなどの紹介!!も。
よろしければお付き合い下さい🍑✨
ご縁がつながったりしたらとても嬉しい。
大阪の物書き、中村桃子と申します。
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。人間に興味が尽きません。
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現在、関東の出版社・旅と思索社様のウェブマガジン「tabistory」様にて女2人の酒場巡りを連載中。
と、あたらしい連載「Home」。
皆の大事な場所についての話。
2023、復活。先日、新作が出ました🆕
以下は、過去のものから、お気に入りを2つ。
旅芝居・大衆演劇関係では、各種ライティング業。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
あ、小道具の文とかも(笑)やってました。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
アーカイブがYouTubeちゃんねるで公開中
(貴重映像ばかりです。私は今回のアップにはかかわってないけど)
あなたとご縁がありますように。今後ともどうぞよろしくお願いします。
皆、無理せず、どうぞどうぞ、元気でね。
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