声 声なき祈りを聞き分け、形なき心の気配を感じ、結びつくこと
年をまたいで読んでいて読み終わった本が印象深かった。
昨年訪れた書店の〝新聞各紙の書評欄で紹介された本〟コーナーに
1冊だけぽつんと置かれていて何気なく手に取った。
タイトルだけをみて読み始めると「ん?」かもしれない。
〝その本〟〝それだけの本〟ではない、なかった、から。
研究者であり小説家にもなった著者による調査や研究の内容と共に「私」の話が語られる。
というか、あちこちに書かれたものがこの1冊としてまとめられた。
でも、ばらばらな話がまとめられている訳でもない。
この1冊は、 〈声〉をめぐる思考の旅 だ。
印象的なフレーズがたくさん出てきた。
〝声なき祈りを聞き分ける〟
〝形なき心の気配を感じる〟
(そうすることで)(そのことで)(過去に生きた人たちの、そこから今を生きる人たちやこれからの人たちへの)
〝言葉が身体を見つけて物語を語り始める〟
〝言葉をさがす〟
〝耳を傾けることは反応ではなく、結びつくことである〟
元日に新年最初の挨拶というかnoteを書いてアップしたときには、
ああ書いたけれど、そのすぐ後や翌日や今日起こったことを、想像も考えもしていなかった。
この年の始まりがこのようになることなんて誰もわたしも予想も考えもしていなかったことだろう。
SNS上にもきつい言葉、やさしい言葉、祈りの言葉、
敢えての普段どおりの出来事を普段どおりにする投稿、
さまざまな人のさまざまな気持ちと言葉が溢れていて、
中にはほっとするものや泣きそうになるものもあれば
見ていてしんどいものもある、直接的なものも、そうでないものも、
本当に、いろいろが溢れている。
わたしはというと言葉がみつからなくて、
でもいつもどおりになにか書くこともできなくて、中途半端で、
でも日々のことはしていて、
でもでもなんだか気がそぞろというか落ち着かなくて、ああ。
きのう、それでも、なんとか、もう終盤まで読んでいたこの本を読み終えた。そうして、ぼぉっとほぉっとなった。
きのうの昼、ふと思って、つぶやきのメモのようなものをしていた、読み終わる前のこと。
〝もっともっと、いろんな、いろんな考えや想いやみたいものも
みたくないと避けがちなことも勝手に自分の中で決めつけてしまっているだろうことも
もっとちゃんと触れたい聞きたい触れねば聞かねば、自分のためじゃなく。広く世界や皆のために。
なにも出来ていないけれどだからでも〟
それが正しいのかそうじゃないかもわからないしそういうことじゃなくて。
言葉はむずかしい、何かを伝えることや受け取ることもほんとうにむずかしい。
でも我々はそれらを普段なにげなくや悩みながらも皆が使ったりやったりしている。
それでもそれをやっていく、そうして日々を、やっていく、いきたいな、やっていこう。
〝結びつくこと〟
*
このたび読み終えた本
昨年さいごに読み終えた本
*
こう書いたけれど、
例えばSNSの使い方や向き合い方も、
情報や報道や事実との向き合い方も誰もが誰かに強要されるものではない。しんどいときは距離をとったっていいし、
無理に無理をしてはいけないしなくていい合わせなくていいのだと思う。
と、いうことも、あたりまえかもやけど、書いておきたい。
それぞれの皆が、あたりまえではない日々を、
だからこそ、大事にいつもどおりに過ごしたり、
過ごしながら出来ることを考えたり、したり、することも、
きっと、とても大事で、それぞれに、また、力のいる・あることだと、思う。そうして、考えたり、考えたり感じるのをやめないこと、とかも含めて。
と、まとまらないままに。
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【略歴や自己紹介など】
構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。
普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。
劇場が好き。人間に興味が尽きません。
舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。
某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
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