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本音 ズンドコ節と松王丸と私たち

「汽車の窓から手を握り送ってくれた人よりも
ホームの陰で泣いていた可愛いあの娘が忘らりょか」
『ズンドコ節(海軍小唄)』の歌詞より。
わたしはこれが嫌いだ。
 
ホームの陰で泣いていた子はわかりやすく素直でさぞかわいく健気にみえるだろう。
だがどうだ。手を握ってくれた人や万歳して笑顔だった人の気持ちはどうだ。
泣いていたのは陰で泣いていたその人だけか?
 
ほんまか?
 
笑っている人も、泣いていたのではないか。
もしかしたら手を握ってくれていた人もほんとうは肚の中で泣き叫んでいたのではないか?
 
どう思いますか。
 
海軍小唄。つまり軍歌だ。
出兵する人を見送るシーンだ。命にかかわる別れのシーンだ。
ということだからよりそう考えるし、そちら方面の話をしようかすることにしようか。
するといい。御時世柄遠い話題ではない。笑えない。
 
でも同時に、そちら方面(だけ)じゃなく、敢えて広げて大きな(?)話にしたい。
大きな意味でそこにすら通ずると思っているからこそ。
 
表でみえる顔みせる顔。
でもね?
例えば、
そうしたくても出来ない状況や、
相手の気持ちや状況のさきのさきまで読んだり考えたりすることやとき、
「そうしたい」がそれをしないできない人や時や場合や物事や性格や人柄というものも、あることやときもある。
 
ひとの心や気持ちや性格とは単純なものではない。
 
本音と、本音の伝え方と、時には伝えない伝え方と黙ることも、ある。出来ないことも、ある。
 
黙っておくことと。表に出すことと出さないことと。出来ないことと。しないことと。
 
相手への思いやりとか、自他への気遣いのバランスとか、その場その時の状況と。本音と。
 
例えば、表でみえるところで、アピールできるところで、や、素直さ、ストレートさ、或いは、声の大きさ、表現の仕方、時に穿った見方をすると、あざとさや、計算高さというのも、いいとかわるいとかじゃなく、あったりすら、も、あるしね(笑)
 
声の大きい人とそうでないとか、いや、やはりやっぱり、〝本音〟とか。とは。
 
うん、ひとの心や気持ちや性格とはそんなに単純なものではない。
 
大人は、いや、人間は、むつかしい。
 
だからわたしはこの歌詞が嫌いだ。
 
何があったなにかがあったとかではない。
 
12年前も書いていたし(笑)

 いつもいろんなシーンで、ふと、だから、このフレーズのことと「ハァ?」とか「はっ」としたりとか、する、結構、いつも。
 
さまざまなひとの気持ちや心や考えること。
そのさまざまな人と大きな意味で「共に生きる」こと。を、考える、考えようとすること。
 
ま、でも、この歌からしたらとばっちりというか、「ひとつの例え」であるだけなんだけどさ。
 
ごめんねズンドコ節(笑)




と、昔から「なんでも口に出したり」「なんでも書いたり」と思われてる(だろう)けれど(これでも)いつも頭の中にそれらの倍三倍十倍百倍……は言いすぎかもやが言葉と気持ちが駆け巡っている人間はよく思ったり、も、する、してる(笑)


12年前はコメント欄に「菅原伝授手習鑑」寺子屋の場、首実検、松王丸の「泣き」の演出の変化についての興味深いコメントをいただいた。
そうだ。そうなのですよ。

◆◆
【略歴や自己紹介など】

構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。

旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。

普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。

劇場が好き。人間に興味が尽きません。

舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。

某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。

lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
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