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【二十四節気】(冬)小雪

小雪廿二日
(11月22日~12月6日頃にかけて)
各地 漸く降雪の季に入る。

虹蔵不見 朔風拂葉 橘始黄

にじかくれてみえず
きたかぜこのはをはらう
たちばなはじめてきばむ

虹蔵不見 天騰地降 閉塞成冬

にじかくれてみえず
てんのぼりてちくだる
へいそくふゆをなす

にじきえて
天の気 のぼり  地の気はとぢふさがりて
冬は來にける

十月の中、あめ寒氣かんきのためにこりむすんで雪となる。大雪の前なれば、小雪せうせつと謂り。

虹蔵不見とは、前にもいふ如く、日光ひのひかり雨脚あめのあしなゝめてらして虹をなす。此時、陰氣壮にして、日光雨脚を照すに力なし。故に虹をなす事能はず。

天騰地降とは、天のやうのぼり、地のいんくだる。是、その位にかえるもの也。是、易の天地、卦象くわしやうにて、否は通ぜさるの義なり。陰陽のみちふさがり閉るを以て、閉塞成冬へいそくふゆをなしと云り。かるがゆゑ、草木も枯て根にかへり、冬の氣色をあらはす也。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『永暦大雑書大成:万民重宝


農家年中行事 小雪

まつばうど植うべし。
煙草の苗地拵をなすべし。
竹を伐るは此節までなり。
からたちの實を植べし。
種物鼠の用心すべし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本区分農事暦:一名農家年中行事
小雪 蘆絮飄雪
賓雁送語
蝦苗上市

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候新撰


名花画帖 小雪

小雪一候 菟茗気吐 ちやのは


小雪二候 風蘭一茎 ほうらむ
小雪三候 吉祥無数 くわんおんさう

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二侯名花画帖 下


印存 小雪

虹藏不見 石井研堂
天氣上騰地氣下降 柳川鐵宗
閉塞而成 圓山大迂

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候印存



参考:『日用便覧』『書翰文精義 上巻 訂3版』『古事類苑 第2冊』『広辞林 新訂版』『神通発秘:究天極地』『天文運機術:一名・天地人三道極意(四時気候)』『日本区分農事暦:一名農家年中行事』『万暦三世相:永代雑書

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