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【二十四節気】(冬)小寒

小寒五日
(1月5日~1月19日頃にかけて)

芹乃榮 水泉動 雉始鳴

せりすなはちさかゆ
みづあたゝかをふくむ
きじはじめてなく

雁北嚮 鵲始巣 雉鳴

かりきたにむかふ
かさゝぎはじめてすかふ
きじなく

さきつかりきたにむかふてかへる頃
かさゝぎくひ
雉子きゞすをなく

※ 「雉子きゞす」は、キジの別名。

十二月のせつ、地下に二やう しやうじ老陰を追ゆゑ、老陰せまりて寒氣はげしく、大寒の前なれば小寒といふ。

雁北嚮とは、雁は陽を恐るゝゆゑ、北にかへる也。但し雨水うすゐの頃にも雁北に歸といひ、又今も北にむかふといふものは、雁の來る時、遅速ちそくあるゆゑ、歸にも又遅速あるなり。

かさゝぎすかふとは、鵲は烏に似てちいさく、白きあり。少陽の精也。故に、二やうきざす時の氣に感じて巣をかふ。

きじなくとは、前にもいふ如く、雉は離火りくわの象也。今二陽の昇るに催されて鳴なり。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『永暦大雑書大成:万民重宝


農家年中行事 小寒

果物諸木に肥をすべし。二月までに二三度すべし。
葡萄の蔓切てよし。
寒中に積みたる土肥は作物に蟲の生ずること少し。
茶桑楮に肥をすべし。

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『日本区分農事暦:一名農家年中行事


小寒 狐渉氷上
枇杷吐蕊
寒菊凌英

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候新撰


名花画帖 小寒

小寒一候 杷萼襯葉 びは
小寒二候 榛花懸枝 はしばみ
小寒三候 木筆書空 こぶし

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二侯名花画帖 下


印存 小寒

鴈北郷 日下部鳴鶴
鵲始巣 南靜山
雉始雊 北条卍山

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『七十二候印存



参考:『日用便覧』『書翰文精義 上巻 訂3版』『古事類苑 第2冊』『広辞林 新訂版』『神通発秘:究天極地』『天文運機術:一名・天地人三道極意(四時気候)』『日本区分農事暦:一名農家年中行事』『万暦三世相:永代雑書』『気候案内記』(国立国会図書館デジタルコレクション)