ロレンツォのオイル 命の詩(1992年)【同じ映画なんだ!同じ映画をふたつの映画感想で書いているんだ!】
医療系の映画。
突然、難病で動けなくなってしまった息子のロレンツォ君。
現代医学で治癒の可能性は無く、
残された時間を大切にするしかない状況・・・・
だが、父は可能性を捨てなかった。
医者が答えを出せないのなら、
自分で研究するしかない!
こうして父は前人未到の、代謝生化学の素人研究を始めていくのです。
注意:
この映画は、流れが上向いた部分で終わっています。
エンタメとしては当然の措置なんですが・・・
ロレンツォ君はその後、亡くなられて、
「ロレンツォのオイル」もその後はあんまり用いられていません。
現実としては「オイル」は予防に使われる以外はあんまり有用性がない。
という結論になっています。
ただ、医学の進歩にとって、
こういうエピソードはとても重要です。
金森さんいわく、
「どんなにいいものを作っても、宣伝がなけりゃ何の意味もねえんだ!」
あるいはクラウゼヴィッツいわく、
「戦争は別の手段をもってする政治の継続である」
という教養の観点から観ると、
こういうのって、政治的にも重要だし、
だけじゃなくて、代謝に関する現代医学の理解が、まだまだあやふやなところが多いので、
(あまりにも複雑なので人間の頭では理解しきれない。AIが必要なんだ)
難病の治療薬開発に予算が出にくいという直感的に分かりにくい状況。
(患者が少ないから研究費を回収できないという身も蓋もない理由で)
想っている以上に後人にとって示唆的なエピソードになる可能性が、捨てきれないんじゃないかと私は思うんですね。
結論を先に書いてしまいましたが、ざっとあらすじ説明。
***
ロレンツォ君が倒れた病気は、
神経線維のミエリン鞘が、崩壊してしまう神経性の病気。
これで脳や神経が全体的に破壊されてしまいます。
(正式病名は副腎白質ジストロフィー)
先天的に酵素が(酵素を作る遺伝子が)欠落しているため、長鎖脂肪酸が蓄積されて細胞を破壊されてしまう・・・という病気のメカニズムについては別記事を紹介するとして、
先天性で酵素がない、という病気では、
もう代謝できない食べ物を食べないようにする対策しか基本的にはありません。
フェニルケトン尿症とかメープルシロップ尿症とか。
赤ちゃんが生まれたときに即検査するやつです。
ただ、長鎖脂肪酸を取らないで済ますことは、人類には不可能なので、
取らざるを得ず、必然的に病気が進行するのを防げないということになります。
そこで少しでも鎖が短いのを与えようとする父ですが、
効果は中途半端に終わります。
(このへん、医学的理解が間違ってたらすいません)
何かが違う・・・・
父は必死に研究を続けますが、
疲労のあまりうたたねをしてしまいます・・・
夢の中で見たものは・・・
💛:このお話は、夢の中で科学上の重要な発見をしたエピソードの話でもあります。
そして、ロレンツォのオイルで実際に助けられた子供たちが大量に出てくるエンディングで締めっしょ!☆
****
この映画は「事実と違う」という批判をされ、
面白さのために真実から遊離してしまうハリウッドの業の深さが話題になった作品でもありますが、
でも代謝生化学って、まだまだ未踏すぎる大陸なので、
まだまだ常識にとらわれないコペルニクス的発見がありうると思うな。
とりあえず、私の知っている範囲で似たようなことをしている人は、
あずみのさんしか見当たりません。
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