自閉症だった私へⅡ(著:ドナ・ウィリアムズ)【読書紹介は読書感想文だ読書紹介は読書感想文だ(以下しばらく繰り返す)】
またしても医学ネタ。
前回は、高次脳機能障害の人に語ってもらいましたが、
今度は自閉症です。
分かっていらっしゃるとは思いますが念の為の説明として、
自閉症というのは生まれつきの脳障害に近い病気で、
後天的になれるものではありません。
虐待されたからといって、多重人格にはなれるかもしれませんが、自閉症にはなれません。生まれたときに決まる属性です。
原因は基本的に不明なので、まず親御さんとかを責めるのは止めましょう。
もちろん本人を責めても意味がありません。
自閉症というのは、そういうものなのです。
そして今度はオーストラリアから、自閉症の人が感じる世界はこういうものだという、
もうひとつの医学の不思議の国をご紹介します。
第1部と第2部があって、
第1部(幼少期編)は図書館で借りて読んだんですね。
で第2部(大学生編)は買ったので手元にあります。
これまた自閉症の人が、普段どういう風に自分が感じているかを、具体的に語ってくれたことは無かったので、医学的にはかなりエポックメイキングな本です。
当時、医師の方々は興奮を隠せないようでしたね。
医師の方にとっては第1部の方が貴重かもしれませんが。
第2部が手元にあるので、如何ともしがたくそちらを中心に紹介してみます。
ただこちらにも著者による幼少期の説明が入っているので、それによって要点は理解できると思います。
また著者は自閉症としては「軽症」の部類に入るらしく、
何が軽症なのかというと、要するにどうにかこうにか社会適応できるからなんですが、
・・・・・
軽症の根拠とはそういうものです。
まあ、医学の基準というのは、
Chat GPTとChat GPTになりすます人間、を区別できない類のものかもしれません。
逆か。レプリカントとかが現れたらどうするのでしょうか?
まあここでは気にしないで先に進みましょう。
とりあえず著者がまだ適応できたのは、オウム返しに言い返したりすることができた。
ということらしいです。エコラリア(反響言語)とかいうらしいです。
エコープラキシア(反響動作)となるとSF小説が挙がってきてうまく調べられないな。(これも読みたい本なんだけど)
ここから何か対応しなければいけない事態になると「人格」を作り出して、それに替わりにやってもらう、というスタンスで対応していたみたいです。
もちろん多重人格ではないので、お互いに何をやっているかの記憶は共有しています。演技している、と言った方がいいでしょうか?
ただ著者の方は、自閉症児というだけではなく、家庭環境も過酷だったようなので、いろいろな事例はあくまでも著者の場合には、と前置きしておく必要があります。
では文中のエピソードを少しだけ紹介していきましょう。
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自閉症の症状として、他者と面と向かってコミュケートしようとすると、恐怖のあまりパニックを起こす、というのがあります。
そこでエコラリアやエコープラキシアができる著者は、そういう場面は代理の人格を作り上げ、彼らにやってもらうというやり方で凌ぎます。
多重人格じゃないので別の人格とかじゃありません。
いわゆるひとつの演技というやつですね。
人格たちは反応パターンが決まっているので、おかしなことをやらかしますが、それでもこれによって著者はどうにか適応します。
ところが成長して、他の「自閉症者」と出会ってしまいます。
・・・そうすると著者には対話の仕方が分かるんですね。
直接に話そうとすると、爆撃みたいな衝撃を与えてしまうので。
「そこに存在しないかのように話す」
例えば、壁に向かって独り言とかを言う。
そうすると伝わります。
モノを渡す時も、直接に手渡そうとするのではなく
「誰もいないかのようにただそこに置いてくる」
そうすると受け取ってもらえます。
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なんか、話がとっちらかってきたぞ。
これは第1部の話だっけ?
それとも第2部?
少なくとも第2部にはあるけど、第1部にも同じような話があったような。
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他に印象的なエピソードとしては、
販売店で働いていたら、小さな女の子から、
「あなたは本物の妖精なの?」
と訊かれてしまったとか。
「そうよ」
「触ってもいい?」
「絶対ダメ。触ると消えちゃうから」
消えはしないかもだけど、とんでもないことにはなります。
同じようにいつも演技することでかろうじて生きている人には、直感的に同類だと気づかれてしまうので、ゴニョゴニョ・・・
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とりとめがなくなりそうなのでこの辺にします。
とりあえず、読んで退屈させる本ではないです。
もうね。読み始めるときりがないので読み返しません。
時間がなくなる。
そんな著者は2017年にガンで亡くなられたそうです。
でも私より年上の人だったんですね。
若くして亡くなったというほどではないみたい。
それでも歴史を変えた一冊だとは思うですです。
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