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フリーランチの時代(著:小川一水)【き、君は誰だ?「読書紹介です。まず私の話を聞いてください」くそう、人類最後のひとりになったはずなのに、まだ誰かいるのか!「今回はその設定なんですね」】

小川一水短編集。4話ほどの中短編が入っています。
冒頭「フリーランチ」の時代は、
ナノテク異星生命体との融合によって、
無限の食料を手に入れてしまった人類の話。
いや正確にはこれからだけど。

ついで脳死状態の患者(もとい閉じ込め症候群の患者)が、
外付きリアルアバターデバイス、
シンセットというロボットの体を手に入れ、
現実世界に復帰する話。その話の行く先は・・・

社会からあぶれたものたちが太陽系のフロンティアで、
日銭を稼ぎながら自由な生活を送る宇宙船乗りの話。

無限の寿命を手に入れて、
老化することが社会的不正と見なされるようになった時代。
不老化処置を督促する役人とそれに抵抗する老女の話。

そんな「のんびり」した雰囲気の作品が集中的に掲載されています。
SFには怖い未来を提示する方向性(ホラーパニック)系統と、
明るい未来を提示する系統の(科学万歳系の)両方向の作品群がありますが、

典型的な後者のほう、より古典的な系統の方ですね。

科学万歳化というとなんか違うような気もしますが、
技術進歩により不可能が可能になる、明るくて、
肩の力を抜いて、ゆるくて楽天的な未来像を提示する作品集。

フリーランチって言葉がもう暗示してますよね。

:*

最後の一本は、
「時砂の王」の外伝です。
これだけシリアスな展開ですが、
外伝だけ読んでも枠外の全貌はわからないのですが、
まあ「マブラブオルタナティブ」のタイムトラベルバトル版みたいな話です。

本編はこちら ↓ 

短編では本編の情報開示は少ないので、
本編の内容は分からないのですが、
この話だけで完結させる範囲内では充分に理解できます。

ここから本編を連想するのはムリですね。
これだけ読んでも問題ないでしょう。

*:

全体的にふわっっっとした話が多くて、
あんまり深刻ぶる話ばかり読んでもアレだしという紹介でした。

ネタバレしてないつもりだけど、いちおうタグをつけておこう。


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