タイムスケープ(著:グレゴリイ・ベンフォード)【読書紹介だと思ったら未来人が内容のネタバレしてきた。復讐のため世界を滅亡させた】
ベンフォード先生が書いたタイムトラベルモノ。
もちろん絶版です。
しかしタイムトラベル系といっても、本作では過去に通信を送ることしかできません。
未来世界では環境破壊によって人類文明は滅亡の危機にさらされています。
自律繁殖する農薬というのが、勝手に増殖してしまい、地球は急速に生命の住む環境に適さなくなっていきます。やってしまいましたね。
今でいうナノテクハザードですね。
この時代にはそんな言葉はなかったかもですが。
そこで過去に通信を送り、
来るべき悲劇を回避するような助言を行おうと試みます。
未来編では必死に通信を過去に送り(1998年頃イギリス?)
過去編では別の主人公たち(1960年代アメリカ)が、日常の生活を送っていて、未来からの通信に気づけるかどうか。
読者がハラハラしながら見守る作品です。
違う時代の主人公たちはお互いに接触すらしません。孤立しています。
そんな食い違うそれぞれの登場人物が、基本的には交互に登場して、話を進めていきます。
未来世界ではだんだんと事態が深刻を極めていきます。
受信したら、私書箱を用意しているから連絡をくれ。
と送信するのですが。
戻ってきた返事は「受信した」という返事のみ。
それでもリアルメールで返ってくるのは、当たり前とはいえ面白いですね。
過去から未来への送信には技術的な問題は何もないですからね。
タイムトラベルものではよくあるギミックですね。
一方、過去世界の方では、
未来からの送信に、こちら側の主人公がようやく気づきます。
しかし好事魔多し。
その都度、別の問題に阻まれて、中断されちゃいます。
さて。こんな感じのお話です。
*****
本作では本当に通信しか送れません。
その制約の多い設定が、本作独特の雰囲気をもたらしています。
まあでも、決して名作ではないのかも。
科学者の日常を描いたとは言われるけど、今からみると遠く離れた私からすると、どうでもいい気もしました。
結末もそんな文句の余地なしグッドエンド・・・
ではなかったんですが、自分は納得しました。
ただ制約の強さが、逆に幸いしたんじゃないのか?
という思いが強くて、紹介してみました。
クライマックスひかえめ。ささやかな日常の幸せEND。
これはこれで、悪くない気がします。
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