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プリンセス・カイウラニ(2010年)【ああ、これで映画紹介もぜんぶ終わってしまったわ、本当に】

ハワイ王朝滅亡の時。
アメリカの大富豪ドール氏(フルーツジュースで有名なブランド)が、
ハワイをまるごと合衆国に呑み込もうとしている時代。
最後の王女カイウラニ妃殿下の視点から描いた歴史映画。

まずはお父さんがスコットランド人らしく、
父は王宮での権力闘争に敗れて、スコットランドに逃げます。
そこでスコットランドで学生生活を送るのですが、
当然、差別があります。
そんな中で恋もして、
しかし急遽ハワイに呼び戻されて後継者に指名されます。
呼び戻したのは最後の女王リリオカラーニ。

拡大を続ける合衆国が、
いよいよハワイの併合にチェックメイトを掛けに来たのです。
たいしてカメハメハ王朝は必至で抵抗しますが、
とりあえず、もう初恋どころじゃねえ。

そんな王女の激動の人生を映画化。

******

ハワイ王朝の歴史を映画化するなんて、
まず観ることがないので、非常にレアな作品です。
歴史好きとしては、観ておかないと損をすると思って視聴したのですが、
けっこうな前なので、あまり深くは覚えていません。

しかし印象に残っているシーンがあります。
それはクライマックス。
王国の滅亡が避けられない状態で、
それならば、と王女はある策に打って出ます。

死中に活を求めよ!と言わんばかりの、これが逆転の一手なのです。
もちろん交渉で、ですよ?


「たったひとつの決めゼリフで状況を逆転させる」



これが観られる映画ってのは、なかなかないですよ。
この映画が実話なら、カイウラニ王女は相当なやり手です。

カッコイイ政治家って、なかなか出会うチャンスが無いですよね。
なんというか、みんな悪く描きがちだし。

***

そういえば、似たような場面をラノベで観たことある。

元祖ラノベ、ロードス島戦記の前日譚にあたる物語。
本編で主人公たちを見守る前の世代が、若い現役だったころの話。
その頃の彼らは、ひとりの英雄の仲間だったのです。
善も悪も魅了するその英雄は、とにかく最高にクールでイカしてた。
小国の王子に生まれながら、その枠を遥かにぶっ飛んでいる彼は・・・

と、こういう話は後日に残しておきましょか。

****

あと、冒頭で悪役と思われていたドール氏、
結果的には穏健派の役回りをしていらっしゃいます。
もうひとりの急進派はあわれ孤立してしまいました。

政治的妥協って一瞬で敵味方が逆になるような場面があって、
本当にダイナミックです。
おもしろいでしょ?
もっともこの辺は脚色があるのかもしれません。
実際にあった場面なのかはわかりませんけど。

また作中では出てこなかったですが、ハワイ滅亡の過程では、日本も積極的に関わっています。結果的に防ぐことはできませんでしたけど。
カイウラニ王女と皇族の方との縁談すらありました。
世界史における日本の足跡が見える場所ですよね。

そんなヒロイン、カイウラニ王女はハワイ併合の翌年に亡くなられています。

ハワイ王国も滅びました。




しかしハワイ人は生き残りました。
王女、あなたの勝利です。

誰も言わんから私が言っちゃいました。
国と国民とどちらが最初に来るか。
答えは名君には自明なのです。

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