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死の鳥(著:ハーラン・エリスン)【「悔い改めよモコアモコ!」と読書紹介は言った】

これはSF小説ではない。
SF文学。いやSF叙事詩だ。
60年代から70年代くらいの作品をまとめたハーランエリスン短編集のひとつ。

伝説的な作家というか脚本家でもあり、
スタートレックの脚本なんかも手掛けていたそうで、
著作一覧の中には「宇宙の中心で愛を叫んだだけだもの」
(ええっと)
とかなんとか、そんなどこかで聞いたことある作品も大量に出てくる。

そんな有名人だったのか。
古そうな作品だなとは思ったけど。
ただ邦訳された本書を読んでみると、
エンタメというより文学してると感じた。

必ずしもSFの枠にとどまっているわけではなく、
本人曰くファンタジー作家だとのことで、
例えば本書には含まれていませんが、
「ヒトラーの描いたバラ」には、歴史の中で悪名を馳せた人物たちが地獄の中でわちゃわちゃしている話とか、

この本の表題作である「死の鳥」は、
神話的な話を、神と悪魔を逆転させた立場で描いているという、
90年代日本アニメに「神が敵なのだ」みたいなの、良くあったじゃないですが。
それの元ネタがこれなんでしょうね。

予定調和を徹底的に嫌う作風らしく、
確かに普通に予測できる結末にたどり着く作品はひとつもありません。
だからこそ、文学臭がします。
それゆえ人を選ぶというか、難しくなっている気がしますけど、
まあポエムですよね(最高に良い意味で言ってますよ)

私は教養として読んでおこうと思って、
それから再読するまでけっこう忘れてましたけど、

結論として、そこまで刺さる作品はなかったのですが、
この感じでやっていくと、ロシアンルーレットやってるみたいに、
ある時にドパンと来る作品に巡りあうでしょう。
そういう出会いがないと生きてる甲斐がないですよね。

いや、刺さった一品があるとすれば、
「ジェフティは5歳」でしたね。
打ち切りになったあの作品の続きが、
なぜか彼のラジオでは聞こえてくるというやつ。

やっぱり当たり前の結論にだけは着地させたくない。
ウケないと言われようが何だろうが。

「宇宙の中心で愛を叫んだだけだもの」
は実家の棚から発掘したので、いずれ読むと思います。
エヴァンゲリオン旧作のサブタイに使われて有名になったやつですね。
今んとこ未読。

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