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ろうそくの火のように
ちょっと重たい本を読んだばかりに、気持ちがグーンと落ちてしまって、noteを書く気力もなかった。
読みたい気持ちはわかるけど、読むものは吟味して自分のメンタルを落ち込ませすぎないようにと、自分に言い聞かせる。
読んでいたのは『タフラブ 絆を手放す生き方』。
家族の絆、夫婦の絆、人との絆があれば、どんなことでも乗り越えられるという幻想を私は抱いていた。
どうしてそう思ったのか、それは教育だったりメディアだったり、そういった何かをきっかけにして入り込んだ幻想だったと思う。
その幻想を疑うでもなく、素直に心に留めていたのは何故だったのか、考えてみても答えが出てこない。
どんな境遇であっても、家族なら力を合わせれば乗り越えられるなんて、そんなわけないだろうと気づかせてくれるのが『タフラブ 絆を手放す生き方』。
本には様々な夫婦、親子の関係が書いてあった。
中でもわかりやすかったのは、アルコール依存症の夫を支える妻の視点。
アルコールに溺れる夫を、献身的に面倒をみている妻。
しかし面倒をみればみるほど、夫はアルコールから離れられないという事実。
お酒を取り上げても、「お酒を飲むなら離婚します」と脅しても、アルコール依存症になってしまった夫には効果がなく、むしろお酒を飲む量が増えたりするらしい。
そこで、
「飲むか飲まないかは、あなたの自由です」
と、夫と距離を取った妻がいた。
それをきっかけに、アルコールをやめた夫がいたと本には書いてあった。
アルコールに依存しているのは夫であり、問題行動を起こしているのも夫。
だからその問題を解決するのも、また夫自身。
しかし問題を解決できないから、依存症になっているという見方もできる。
だから助けは必要なのでは?
ただ、その助けるという意味をはき違えると、問題行動を助長してしまうのかもしれない。
この辺が難しいところ。
「タフラブ」とは、「手放す愛」「見守る愛」という意味らしい。
献身的に支えることが美徳とされる日本のような国では、この「タフラブ」は難しいような気がした。
「手放す」も「見守る」も、放棄しているように見えることがあるから。
けれど人間関係には距離が必要。
距離が近すぎても遠すぎても、相手のことが見えなくなってしまうから。
本のあとがきに、
他人によってがんじがらめにされることで、孤独から一瞬解放されるかもしれないが、それにもまして傷つけられることは多い。ろうそくの火に手を近づければ火傷を負うが、少し離れていれば暖かさを、光を感じられる。タフラブの提唱する関係は、そんな安全で、やさしさに満ちた関係だ。
と書いてあった。
献身的な支えは、ろうそくの火で火傷を負っているようなものかもしれない。
そう考えてみると、私はよく火傷を負っている気がする。
主に子どもたちとの関係だけど、距離が近すぎて火傷だらけのような気がする。
もう少しだけ離れてみよう。
火傷しないように、「手放す」「見守る」でいきたいな。
*
そんな最近の読書は『健康で文化的な最低限度の生活』。
生活保護の話なので、こちらも内容的には重たい。
しかしとても勉強になる。
雨宮処凛さんの『学校では教えてくれない生活保護』にも書いてあったのだけど、生活保護のケースワーカーさんが一人で抱えている案件は80件ぐらいらしい。
『健康で文化的な最低限度の生活』の主人公えみるは、新人だけど110件を抱えることになるのでビックリした。
え?新人でもそんなに抱えるの???と。
生活保護の支援が大変という以上に、生活保護の支援をする人が大変になっている状況を、どうにかならないのだろうかと思ってしまった。
支援する人、支援される人、どちらも困っている人になってはいないだろうか??
そんなことを考えながら、漫画を読んでいる。
いやはや、なんともすさまじい内容。
しかしとても興味深いので、一気読みしたくなる。
あー、漫画って面白い。