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映画めも。

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観た映画のはなし。 ネタバレするぞー!
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2020年4月の記事一覧

花様年華/ウォン・カーウァイ

花様年華/ウォン・カーウァイ



タイトル:花様年華 In the mood for love 2000年
監督:ウォン・カーウァイ 王家衛

この数年色々な監督の口から「花様年華」のタイトルを耳にする事が多い。とくに作品にダイレクトに反映されているのがバリー・ジェンキンスで、「ビールストリートの恋人たち」はここにある映像表現が色濃く出ている。「ムーンライト」ではウォン・カーウァイの「ブエノスアイレス」の冒頭に流れていたカエタ

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ビフォア三部作/リチャード・リンクレーター

ビフォア三部作/リチャード・リンクレーター



タイトル:
ビフォアサンライズ Before Sunrise 1995年
ビフォアサンセット Before Sunset 2004年
ビフォアミッドナイト Before Midnight 2013年
監督:リチャード・リンクレーター

入れ子状態のロマンス

齢40にして初めて観たのでほとんど思い入れの無い状態。おそらくリアルタイムで順を追って観た人とは印象が異なるだろうし、一作ごと、特に初作

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トリコロール トリロジー Trois Couleurs/クシシュトフ・キェシロフスキ

トリコロール トリロジー Trois Couleurs/クシシュトフ・キェシロフスキ



キェシロフスキ監督によるトリコロール三部作

タイトル:トリコロール 青の愛 : Trois Couleurs Bleu 1993年
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ

三部作の一作目青の愛。この映画はとにかくジュリエット・ビノシュの表情が全て。ぽつりぽつりと言葉を発するまでの間にセリフ以上の表現がそこにある。悲劇的な始まりから、厭世的な感情になりつつどこか無感情な表情をしながらも、絶望と孤

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ノスタルジア Nostarghia/アンドレイ・タルコフスキー

ノスタルジア Nostarghia/アンドレイ・タルコフスキー



タイトル:ノスタルジア Nostarghia 1983年
監督:アンドレイ・タルコフスキー

ロシアの生活を回顧するモノクロームの世界と、カラーの現実世界が行ったり来たりする描写が交互に出てくる事で、イタリアに亡命し居残るか愛する家族のいるロシアに帰国するかという悩みが交差している。
今回観ていていて思ったのは、そのどちらもタルコフスキーの分身である主人公アンドレイの心象風景だったのではないか

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37セカンズ/HIKARI

37セカンズ/HIKARI



タイトル:37セカンズ 2020年
監督:HIKARI

出生時にわずか37秒呼吸が無かっただけで脳性麻痺を患い身体が不自由になってしまったというのが強烈に印象に残る。わずか1分にも満たない時間が人生を左右するほど大きな意味をもつ。誰しも隣り合わせにあったかもしれないこの37秒は「もしも」それが無かったらと強く考えてしまう。それは自分もそうだし、生まれてくる、あるいは生まれてきた子供もそうなる

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マイ・プライベート・アイダホ My own private Idaho/ガス・ヴァン・サント

マイ・プライベート・アイダホ My own private Idaho/ガス・ヴァン・サント



タイトル:マイ・プライベート・アイダホ
My own private Idaho 1991年
監督:ガス・ヴァン・サント

グザヴィエ・ドランはこの映画大好きなんだろうな。この間のジョン・F・ドノバンのラストで思いっきり引用していたし、胸騒ぎの恋人なんかもヘテロの男性に恋するゲイの主人公というこの映画まんまな内容だったし。ドランがここにある世界観を推し進めようとしてるのはよく分かった。

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イット・カムズ・アット・ナイト It comes at night/トレイ・エドワード・シュルツ

イット・カムズ・アット・ナイト It comes at night/トレイ・エドワード・シュルツ



タイトル:イット・カムズ・アット・ナイト 
It comes at night 2017年代
監督:トレイ・エドワード・シュルツ

次作ウェイヴスの日本上映が控えているトレイ・エドワード・シュルツ監督によるA24配給作品。ここにあるホラー的要素はあくまでも主人公トラヴィスが夢の中で思い浮かべるイメージであって、いつ迫り来るか分からない伝染病に対する恐怖心が眠りにつく後に描かれている。冒頭の伝染

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バンディットQ Time Bandits/テリー・ギリアム

バンディットQ Time Bandits/テリー・ギリアム



タイトル:バンディットQ Time Bandits
監督:テリー・ギリアム

テリー・ギリアムの初期作品で、ジョージ・ハリスンが出資していたハンドメイド・フィルムズが配給したダークファンタジー。
R2-D2で有名なケニー・ベイカーなど小人症の人々がわちゃわちゃと演じている様が愉快な雰囲気ながら、あのラストは中々にビターな後味を残す。僕は初見はテレビ放映されていたものを父が録画していてそれを何度

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