宇宙からの返事
先日、素敵な言葉を頂いたのです。喉の奥がぎゅん、となる位。
ハローハローと呼びかけたら宇宙から返事が届いた、そういうお話。
好き勝手に書き散らしている言葉を好意的に捉えていただいた上、私には過ぎたお言葉を頂いて、少し面映ゆい。いや、かなり。
はじめましてのご挨拶をさせていただいた時、書き出しはこうだった。
ハローハロー、いつか誰かに応答してもらえたら嬉しいです。
頭にあったのは加納朋子さんの「魔法飛行」。
一度だけ図書館で借りたこの物語は加納さんの素敵な言葉と謎に満ちていたはずだが、何年も前に読んだため内容はほぼ覚えていなかった。
その中に
ハロー、ハロー、こちらコマコ。
と語りかける言葉があったような事だけがずっと残っている。いつ、どこで、どのような場面だったか全然覚えていないけれど、柔らかく残り続けた言葉。
この言葉を真似ただけの書き出しなので、褒めていただくと本当、何というか、嬉しさの中に気まずさも混じってしまう。少しだけ。
正確にはどういう言葉が記されていたのか、これを機会に確かめてみて、また喉の奥が痛くなった。物語の最後を綴る言葉だったので多くを語ることは控えたいし、最後まで読んだ先に見つける言葉だからこその効果もあると思う。
だけど、ここだけ引用させてください。
私は見えない相手に向けて、懸命に通信を送るのだ。
ハロー、エンデバー、こちらコマコ。私の声が、届いていますか?こちらコマコ。聞こえていますか?
私は繰り返す。ハロー、ハロー、ハロー……。ハロー、エンデバー。
私が生まれて育つ間に飛躍的に進歩した技術の恩恵を受け、ちっぽけな私の言葉も宇宙を漂って、ある日誰かが拾い上げてくれる事もある。
宇宙の彼方から間違って私の元に届いた信号のようだ。
とWatanabeさんが書いてくださったように。
「魔法飛行」の前作「ななつのこ」で駒子が書き連ねた日常を1万2千年後のヴェガへ宛てる手紙にしたように。
送り手も届け先も、目的さえも不確かな信号をとばしてみるのだ。
ハローハロー、いつか誰かに応答してもらえたら嬉しいです。
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