ムー! 【無門関第一則 趙州狗子】②
カエル「いよいよ、実際の公案の内容ですね!ケロ。」
無門ガエル「そうだね、では、始めよう。」
無門ガエル「趙州和尚のところに、あるお坊さんがやってきて、『犬には仏性がありますか?』と真剣に聞いたんだ。」
カエル「ブッショウ?ってなんですか?」
無門ガエル「ん〜、平たくいうと、仏と同じ性質、かな。仏教では一般的に、犬も猫もゴキブリも、みんな、この仏性っていうものを持っている、と捉えられている。」
カエル「おお、それは朗報っすね!そしたら、僕も仏性ってやつを持っている、ってことで良いケロ … ?」
無門ガエル「そうなるよね。ところが、趙州和尚はその質問に対して『無(む)』と答えるんだ。これで、この公案は、おしまい。」
カエル「え?!終わりですか?ケロ。全然意味分かんないっスよ …」
無門ガエル「あはは。まあ、そうだろうね。意味は、とりあえず分からなくてもいいよ。ポイントは、この『無』は、ある、ない、の『無い』ではないということなんだ。」
カエル「そうなんスか?でも、『無』って言ったら、何もないよ!みたいな … そんな感じだと思うんですけど。あ、ひょっとして、これって答えですか?ケロ。」
無門ガエル「いやいや、さっきも言ったけれど、そして無門禅師もコメントで書いておられるけれど、有と無を二つに分けた上での『無』の方、ではないのね。」
カエル「う〜ん、残念 … そうなんですね …。だとすると、趙州和尚は、なんで『無』って言ったんですかね?ケロ。」
無門ガエル「そうなんだよね。そうやって疑問を持つことは、とても良いことだ。いったい、この『無』っていうのは何なのか?っていう感じに疑問を持って取り組んでいくのがいい。このように、非常に強く疑問に思うのを、禅では『大疑団』っていうんだよ。疑って疑って疑い抜いて、体全体が疑問のかたまりになっちゃう感じ、って言ったらわかりやすいかな。」
カエル「なるほど〜。疑問のかたまりっスね!ところで、具体的には、その疑問にどうやって取り組んでいくんですか?ケロ。」
無門ガエル「うん。無門さんのコメントを見ると、そこらへんのことを親切に書いてくださっているよ。次回は、そこを見ていこう。」
カエル「おぉ〜、楽しみケロ。」
続く