そこに佇む、時の遺構|11792文字
現代社会における共感の欠如とその問題時折、日常の中で人々の表情や声が奇妙に遠く感じる瞬間がある。
渋谷の街を歩くとき、どこかの郊外を歩くとき、電車やバスの中でも、互いに目を合わせないままスクリーンに視線を落とす人の姿が僕の目によく映る。
SNSやメディアが急速に発展している中、どこかの他人や、顔は知っているけど親しくない人(大学では、「よっ友」といわれる関係もある)の生活に触れているかのような錯覚が増えている現代ですが、意外とそこには表面的な「いいね」や短いメッセージのやり取