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【詩】がく、と風雪

【詩】がく、と風雪

詩を書かないと生きていけない

それは私の生命のさざなみ

男女の運命を男1人が超え

あなたとの恋を女1人が見抜く

死はとうに越している

世界の繊細とそこから派生する洞察に

彼女の眼に春はどう芽吹く

それは雪の結晶か

夏の繁茂か

秋の紅潮か

春の雪溶けか

四季の錬磨にどう呼び声を聞く

ああ聞こえるぞ、そなたの奥

ああ見えるぞお前の気恥ずかしさ

聞かせろ超えた彼岸への橋を

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【詩】翻訳

【詩】翻訳

あらゆる先人の方の尊い書物は

焚べられた人間知の集合だ

幸いにも感慨を獲た1人のものとして

あなたに言葉を伝えたい

あらゆる聖賢が言うには

「あなたが聞きたい音楽を あなたが聞きたいときに聞くこと」

これしか述べてないように思える

【詩】光り

【詩】光り

動画から目を離した3分の間に

私の心は宇宙に拡散し

広大な感慨を連れて戻ってくる

もはや質量

もはや質量

死をぶち抜く偉大な尊光

ペテン師と明師の区別は

子どもたちが見分ける

【詩】始原

【詩】始原

あなたがあまりにもあたたかく抱きしめるものだから

私の恥ずかしさも溶けて失くなってしまった

そんなことに慣れるうちに

私の周りの人が笑うようになった

想う、若き日のあなたの老練

世代を超えて今も紅く煌めいている

夢を見よう

それが青い炎に燃え移るまで

【詩】苦悩の落ち着く所

【詩】苦悩の落ち着く所

頑張っていることをただ頑張っていると

それを言ってくれる概論や人がいるだけで

生き延びれる可能性があった人がどれだけいただろう

好きな歌手は【誰がその背中を撫でてやろうとしただろう】という言葉を残したが

背中を撫でてもらえない人がどれだけいるだろう

別に何もかもを求めているわけじゃない

ただ心配してもらえるという事実に

そのあたたかさに

触れられなかった人がどれだけいただろう

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【詩】カタルシスという螺旋

【詩】カタルシスという螺旋

全人類が望む恋の行く先を誰が手に入れよう

罪悪感と連関したノイローゼに

それが自分の努力の証だと気づかされた時に

パッと浮き立つカタルシス

それは一瞬であり

またそして深い

誰もが望む恋の獲得は

社会不適合者のカタルシスにこそある

圧倒的に持たざる者に花開いた精神の世界は

その者に関わる者への心象に憧れを植えるだろう

憧れは"何かを見ている"ということ

彼は何かを見ている

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【詩】頑張ったのだ 相対を植え付けられてさ

【詩】頑張ったのだ 相対を植え付けられてさ

打ちひしがれるということは頑張ったのだ

誰がなんと言おうと私が認めよう

あの人に比べて、

それを植え付けられたということが頑張ったということだ

たとえあなたの苦悶が解決せずとも

否応なしに認めているのだ

願う。時としていつの日か

幼少の恋の記憶を想い出すことを

【詩】媚びへつらう

【詩】媚びへつらう

賢い男、卑しい男

卑しい故に相対的に恵まれているような格好をする男

それらは目上の人に媚びへつらう

例外として私を殺そうという危害を加える人間から逃れる時だけは別にして

大自然に心が還っていたら

どうして人を恐れる必要があろうか

そしてまた人を恐れるように見える

尊い先人の謙虚さは

畏敬から派生するが

畏敬は主体があるから感じるのだ

主体のない賢く卑しい男よ

媚びへつらってど

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【詩】全宇宙遠い目の先の凪

【詩】全宇宙遠い目の先の凪

殺す世界についていけない小さな僕は

自分の望みを最近になって知った

駅員が私に声をかけてくれる時

ほっと安堵した

安堵は深かった

何が繋がっているか分からないと思った

心身を打ち滅ぼすこの世界の上で

あたたかに声をかけてくれるあの駅員や店員が

さしてあちらの方からすれば「いつものこと」だろうに

しかし私は幸福を感受した

逆もあるのだろうか。

この私がいつもどうしても周りとひょ

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【詩】優しい唄

【詩】優しい唄

大戦争も、彼女の情緒が目的だったのだ

しかし人は言うそんなの綺麗事だと

私のは綺麗事ではない

彼らの言う綺麗事は

「自らが戦争に向かう精神性での言い聞かせの道徳」だ

時として1人の少女が泣く理由は

物事がうまくいかなくて泣いているのではない

この人生全体の空虚に泣いているのだよ

だから叫ぼう人間の本然を

その遥かなる鼓動を

彼女の情緒は優しさしかない

優しさしかないのだ それ

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【詩】見たい景色

【詩】見たい景色

世界は厳しいのだ

でなければこの私のノイローゼもないのだ

しかし

どこかの辺境にまだ暖かな

そして一つ人格として綺麗を貫いているあなたが

この娑婆で美しく存在しているというのなら

そのスクリーンが永続することを願って

私はまだ生まれぬ人たちを

生まれさせることに尽力しよう

その生まれるは心

情緒より死の方が早いかもしれない

それでも

【詩】思い出せ

【詩】思い出せ

ただ青空を観ずることを

許されて、僕たちは生まれてきたのだ

それがどうだ時として人間のエゴに

見ているのは数字と体裁だけだ

それで身体が動かなくなって

僕は一度死んだ

でもそうだろう 本当はそうだろう

ただこの青空の下に気恥ずかしい笑顔を

その上気した恋を

それが子どもたちも大人たちも

知っていたはずだ

諸々の怨嗟を通り抜けた先には

学問も武道も必要ではない

思い出したい

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【詩】逆転

時として思うのだ

ついていけなかった彼らに

教えてる私に

何があった、って

【詩】雨のその先

【詩】雨のその先

僕の言葉ではそれを表現しきることはできないかもしれないが

子どもの頃からの情景の最果てに

誰にも見られない不幸を一身に受けて

ただぼーっと

あなたが遠くに降る雨と木々を見つめている時

その時に情緒というものが美しく

あなたの身体を光り輝かせて

そうして家に帰っても自分の気持ちは胸にしまって

親にも友人にも何も言わないあなたは

どこまでも美しく

あなたは自然を感泣させている

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