【詩】今日は少し長い詩を書いてみたいと思いました

今日は少し長い詩を書いてみたいと思いました

私が青年の頃

思想の行き詰まりで悩んだあの子は

日本の青年の機能不全と高度経済成長後の空虚を教えてくれました

私が少年の頃

親交が途絶えている間に亡くなった少女は

亡くなることの賢明さ(もちろん私は生きることを選んだわけですが)と世界の透明さを教えてくれました

僕が成人の今

桜は散ります

彼らや彼女らの遺産が

私の心を切なく締め付けます

春の雪溶けの水は美しく

桜は淡いです

若い私がこんなことを言ったら驚かれるかもですが

その桜があと何回散るだろうかと思います

引越す前に住んでいたアパートの横を通ります

幼い頃の私はそこにいました

そんなことを考えていると

夏の暑さが恋しく思います

あなたはまだ生きているでしょうか

私が死んでもこれが果たせたら私は最も嬉しい

生きた苦しみを宝石とする智恵が、あなたに身についたでしょうか

生きた苦しみを宝石としてくれるでしょうか

あなたには

何が見えていますか

情報にお金がついた現代

みんなは苦しくて笑っています

長い詩で様々なことを客観的に論じようと思いました

でもやっぱりやめました

ただ1人のあなたを

私はずっと愛しています