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タイパ について思うこと
【タイパ】
タイム・パフォーマンス=時間対効果
数年前から若い世代を中心に注目されているタイパ。
かけた時間に対して得られる効果ということなので、単に工程を省く「時短」ではなく、できる限り無駄な時間を省いて満足を得られるかの「効率」ということらしい。
価値がないと思われることにいかに労力を使わずして、限られた時間をいかに割かずして充足感を手に入れられるか。
このタイパ、時間に追われる場面で重視するのではなく、日常的に意識するのだそう。
タイパによって生まれた時間は自分時間に充てるそうだが、この時間を何に使うかのアンケートで、回答1位は「睡眠」というからなんだか切ない。
気付いたらぼーっとしているとか、いつの間にか寝ていたとか、昔は無意識下だったことを、現代は意識的にスイッチをパチンとオンオフして創らないと得られないのかもしれない。
⚖️
2002年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者 ダニエル・カーネマンは、
「人間の判断は認知バイアスによって、不確実な状況下でエネルギーを使わずに済む先入観や直感から非合理的な判断をするものだ」
このように語っている。
また2011年にベストセラーになった著書
『ファスト&スロー』の中で
私たちには2つの思考がある。
「ファスト」(速い思考)は直感的で自動的な思考、「スロー」(遅い思考)は熟慮する意識的な思考。私たちはで日常的な判断のほとんどを速い思考で下している
と述べている。
⚖️
人間の意思決定はそもそも効率的という。
そこに来てこのタイパの波。
これでは速い思考ばかりに偏ってしまうのではないだろうか。
このところの情勢不安がますます私たちに不確実な状況をもたらしていることも要因の1つだろう。
増え続ける情報の膨大さに対して1日24時間は変わらないことも原因かもしれない。
限られたリソースに固執し、一足飛びにたどり着く手法は果たして正しいのか。
無駄と思える時間や遠回りが間違いや失敗だとしても、閃きや経験の礎になっていることだってある。
タイパは手段であり目的ではないはず。
あまりに重きを置くと、チャンスや大事なものさえ飛び越えてしまっているような気がするのだけど‥‥。