mana

子育てを卒業した主婦|大学の通信教育部で心理学を学び直し|日常と心理学、徒然なるままにエッセイを書いています。

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子育てを卒業した主婦|大学の通信教育部で心理学を学び直し|日常と心理学、徒然なるままにエッセイを書いています。

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未来のためにできる最小単位のこと

2007年、日本は世界で最初の超高齢社会になった。 約4人に1人が65歳以上ということになる。 平均寿命が80歳を超える現在、人生を登山に準えたとしたらピークは40歳。山を下る人生の後半もまた40年という長い年月になる。 人生後半を、不安と衰退だけの「下り坂」とは捉えたくない。生きる先を未来とするなら、ピークを越えた先もまた未来なのだから。 発達心理学と聞くと、生後から成人期に向かい成長する時期に限った心理と捉えがちだが、実際には成年期、高齢期という単純に上に伸びていく

    • 縦縞と横縞の効果

      20年になる我が家のユニットバスに不具合が出始 め、只今リフォームに向けカタログと睨めっこ中。 価格帯はもちろんだけど、ものすごく悩ましいのが浴槽や床、水栓器具以上に壁。 この壁の種類、どのメーカーも40種類ぐらいあるんです。 浴室といえば限られた空間。決して広くはない空間4面を囲う壁。毎日必ず目にするそれは、選択を失敗してしまうと入浴のたびに後悔に苛まれることになります。 ある程度の候補に絞り込んだところで気がついたんです。 どれも何となく横にラインの入ったものをチ

      • スマホとドーパミン

        ドーパミンは本来、何かをした成果として得るものだが、これを簡単に得ることができるのがスマホ。 知識や情報を渇望し探そうとする人間の本能をいとも簡単に満たしてくれ、見るだけでドーパミンが分泌される。 ドーパミンは目新しさを感じると分泌されるので、次々に新情報が得られ完結してしまうこの小さく有能なアイテムに私たちが依存してしまうのは当然のこと。 ドーパミンが一番活発なのは10代。 この時期はドーパミンの量が報酬という形で最も増え興奮しやすい。逆に失望すると著しく減少する。

        • 1本の眉間のシワが教えてくれたこと

          ある朝、洗面所の鏡を覗くと眉間に1本の横線が刻まれていた。 「ん!?こんなのあったっけ?」 気になり始めると、その線は日ごとに濃く深くなっていくように感じる。 でも私には顔をしかめるような癖もないはずだし眉間にシワを寄せた覚えがない。適当にクリームなどを塗りこんでやり過ごしていた。 この頃、今の家に引っ越したばかりでかかりつけ医を探していた。そんな時にタイミング良く歯科医院開院のチラシがポスト投函された。最新設備と美しい院内の写真に惹かれて息子と一緒に予約を入れた。

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        未来のためにできる最小単位のこと

          心と部屋の風通し

          こんなに四季の移りが曖昧な年もこれまでなかったのではないでしょうか。 衣替えのタイミングも掴めない今年の秋。 どうしてだか、子どもの頃から整理整頓、模様替え、配置替え、掃除など、部屋を整えることが好きでした。 インテリアという概念もよくわかっていない子ども時代、気付いたら友達宅のインテリアに興味津々、気付いたらインテリア見たさにドラマを観ていました。 『金曜日の妻たちへ』のパティオ、『抱きしめたい』の浅野温子さんの住むマンションのスキップフロア、『東京ラブストーリー』の

          心と部屋の風通し

          素敵なティーンと出逢った話

          昨日、とある投票所で選挙事務に携わった。今回で3回目の従事。 その従事でティーンの女の子との素敵な出逢いがあったので記事にしたい。 18才になったばかりの彼女(ここからはAちゃんとする)は高校生。選挙権を得た喜びと、初選挙となる今回の選挙従事にぜひ社会勉強として携わりたいと自ら手を挙げたのだそう。 「よろしくお願いします!」 集合場所に現れた彼女は今どきの小顔に頭身バランス。場をわきまえた服装と一本結びのヘアスタイルで初見から好感が持てた。 役所の方の説明を頷きながら聞く

          素敵なティーンと出逢った話

          紙の教科書の大切さ

          IT先進国のスウェーデンは2006年、1人1台に学習用端末を導入、デジタル教材への移行が一気に進んだ。 ところが昨年、学習への悪影響があるとして紙の教科書への「脱デジタル」に大きく舵を切った。 デジタル教材になってから、子どもたちの集中力が続かない、考えが深まらない、長文の読み書きができないという弊害がで始めたという。 近年、スウェーデンで実施された学力を測る国際調査では成績の落ち込みが目立つようになった。 ノーベル生理学・医学賞の選考機関カリンスカ研究所のトルケル・

          紙の教科書の大切さ

          ニッチに8割書く

          作家のヤスさんがある企画を出された。 #私の書くルール 思わずタイトルに目がいく。 作家でいらっしゃるヤスさんの潔すぎる言葉。 ヤスさんいわく、 すごく同感だ。 こうしてnoteで書くようなって、①も②もない私は、このような思いをここ最近特に抱いていた。 ヤスさんが皆さんから聞いてみたいとおっしゃる #私の書くルール まだまだひよっこ初心者の私にはそんな大それたものはないのだけど、この機会に書くことを掘り下げてみようと思う。 最近、1度視聴したYouTubeで

          ニッチに8割書く

          タイパ について思うこと

          数年前から若い世代を中心に注目されているタイパ。 かけた時間に対して得られる効果ということなので、単に工程を省く「時短」ではなく、できる限り無駄な時間を省いて満足を得られるかの「効率」ということらしい。 価値がないと思われることにいかに労力を使わずして、限られた時間をいかに割かずして充足感を手に入れられるか。 このタイパ、時間に追われる場面で重視するのではなく、日常的に意識するのだそう。 タイパによって生まれた時間は自分時間に充てるそうだが、この時間を何に使うかのアン

          タイパ について思うこと

          リトルブラックドレスを纏う

          映画 『ココ・アヴァン・シャネル』(2009) を観ました。 1883年にフランスで生まれ、第一次世界大戦から第二次世界大戦という激動の時代を生きたガブリエル・シャネル。 当時の女性は コルセットで腰を締め付け、ビーズ、花飾り、羽、レースなどをふんだんに施したドレスや帽子を纏った華美な装飾こそが高貴な特権性を表明するとされていました。 そんな時代にシャネルは、それまで喪服にしか使われなかった黒の生地、ジャージ素材、腰を締め付けない動きやすいシルエット、ポケットなどを取り

          リトルブラックドレスを纏う

          ネクタイと息子

          ガッチリした骨格と落ち着いた風貌からいつも年齢より上に見られてきた息子。小学6年の夏に私の身長を超えた。 ランドセルの肩ベルトの穴を増やした。 改札のピヨピヨ🎵音と共に駅員にジーッと疑いの眼差しを向けられることもしばしば。 足も大きく上履きを何足買い換えたかわからない。6年生になると下駄箱に靴が揃えて入らなくなったようで下駄箱を2つ占拠していた。 授業参観の日、下駄箱を見た誰かのお母さんが言った。 「あら?今日は教育実習の先生が来てるのかしら?」 「あのー、その靴

          ネクタイと息子

          書くことから生まれる効果

          書くことは心の表出だ。書いて初めて自分の深層心理にだって気づくことがある。 心の中に溜めていたものを引き出しをひっくり返すように書くことで、思いもよらない″忘れ物″の発見がある。引き出しの奥底や隅っこにこんなものが入っていたと見つけるような感覚だ。 また、過去を文章化すると実はこうだったのかもしれないという別の視点が生まれたりもする。 これは心理学の自己一致と似ている。 自己一致=自分の内側と外側が整った状態。 詳しくは過去記事ご覧くださいね↓ ‥書くことは整うこ

          書くことから生まれる効果

          義祖父母宅を実家じまいした話

          10年以上前、義祖父母宅を「実家じまい」した。 施設に入っていた義祖父母が1ヶ月の間に相次いで亡くなった。2人とも高齢ではあったが持病を抱えていたわけではなく予期せぬことだった。しかもほぼ同時期に。手配や連絡、事務手続きに追われて悲しみに暮れる時間もなかった。 空き家のまま放置されていた築70年の義祖父母宅をどうするかも急務の課題となった。不動産屋との話し合いで更地にして売却することに決まった。 昨日まで住んでいたかのような状態で放置されていた室内は貴重品や必要品の選別も

          義祖父母宅を実家じまいした話

          中年の危機なんて

          果たしてこの時期は本当に″危機″なのだろうか? 人生の折り返し地点、ミッドライフクライシスど真ん中世代の私は、あまりそのようには感じていない。 体力の衰えや更年期といった体調の変化に加えて家族の巣立ち、介護、死別など生死に向き合うことや人生について考えさせられる時期ではある。 「展望」の対義語が「回顧」であるように人生にうねりがあるなら、夢や希望に溢れた若い時期の先には過去をあれこれ考える時期が自然とやってくるのかもしれない。そう、これは誰もが経験するごくごく自然な流れ

          中年の危機なんて

          小さな待ち人

          都内のデパートに行ったときのこと。 息子5歳。相変わらずカードよりゲームより本が好きで、その日も「どこに行きたい?」と聞くと「本屋さん!」と即答。 並びに素敵な雑貨屋がオープンしているのを横目に本屋の子どもコーナーへ。 小さな椅子に座ると息子はまた本の世界へ。 しばらく待ってみたけどまだまだ読み足りないらしい。 「隣のお店ちょっと見てきていいかなぁ。すぐ戻ってくるから、すぐ。ここにいてね。」 つい買い物好きの虫が騒いだ私。 「うん、いいよー。」 本に目を落としたまま答

          小さな待ち人

          呼び名が変わるとき

          今の家に引っ越してきたのは息子が5歳、幼稚園の年長の年だった。 引っ越しとともに幼稚園も転園することになった。 次に行く幼稚園は1番近所という理由で希望したのだけど、幼稚園事情に詳しいママ友によると、入園時にきっちりした面接を行う園だという。 「だからさぁ、一応色んなこと聞かれても答えられるよう準備しといた方がいいよー。好きな遊びとか食べ物とか、あと親の呼び方とかもさ。」 ふむふむ、なるほど。ママ友の話しを聞いてから、だいぶ早めの面接練習を始めた。 「好きな本は何です

          呼び名が変わるとき