【読書感想文】 今回の教えはめっちゃスパイシー 『夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え』
そこそこ長く生きていると自分の人生に迷うこともあるわけで、数年前、進むべき道のヒントを得るべく、私は生まれて初めてプロの占い師さんに将来を占っていただきました。
その占い師さんは、占星術とタロット、手相などを駆使し、要所要所で厳しいことを言いつつも隙あれば雑談を入れてくるお喋りな年配の女性。
その方が仰るには、「あなたは大器晩成型で若い頃は運気が悪かったけれども、これからはどんどん良くなっていく。 長生きするよー」とのことで、私の未来は意外と明るいのか、と少し心が軽くなったのでした。
ただ、占い師さんに予言されたライフイベントがあるという年が、すべて何事も無くことごとく過ぎ去っていったことは解せません。
ドラマ化、舞台化、アニメ化
本日は、『夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え』(水野敬也 著)をご紹介します。
ある日突然主人公の前に現れたインドの神様・ガネーシャが、夢を叶えるための大切なことを教えてくれる自己啓発エンターテインメント小説の第3弾
刊行は2014年になります。
この作品ではなく第1弾が原作のようですが、『夢をかなえるゾウ』は2008年に日本テレビ系列でドラマ化されていたそうです。
さらに、同年舞台化もされ、翌年にはテレビアニメも放送されていたとのこと。
つい最近この事実を知ったのですべて未見ですが、当時『夢をかなえるゾウ』は一大ムーブメントを巻き起こしていたのだな、と改めて思い知りました。
「今回の教えはめっちゃスパイシーやで!」
この作品は、ガネーシャはガネーシャでも、ブラックガネーシャが、恋と仕事に悩む女性に容赦なく成功法を伝授する物語。
前の2作品は男性だった主人公が女性になり、方向性は第1弾と同じと見せかけて、ガネーシャを敵視するライバルが現れて対決するというぶっ飛んだ物語になっています。
ガネーシャが「今回の教えはめっちゃスパイシーやで!」と言うだけあって、まさに怒涛の展開でハラハラドキドキしながら読んでいましたが、ガネーシャによる夢を叶えるためには避けては通れない道があるという教えが一段と心に響きました。
そして、ハートフルで素敵な結末にたどり着いた時、ガネーシャという神様の優しさや可愛らしさ、本質がはっきりと見えて、とても愛おしく感じたのでした。
さらに、主人公は必死でガネーシャの課題をこなしながらも、俗にまみれた神様たちへの対抗力と適応力が最高に素晴らしくて感心します。
多くの笑いと、元気と勇気と感動をもたらしてくれた主人公には絶対幸せになってほしい、いや、きっと幸せになるのだろうと思わずにはいられません。
それにしても、まさか最後に泣かされるとは思いませんでした。
P.S.
この作品の読書感想メモを見てみたら、読了直後の私がこんなことを書いていました。
「人間味がありすぎる神様って、それだけで面白くて良い。 たとえ渾身のギャグがだだ滑りしようとも、その場がバナナで釘が打てそうなくらいキンキンに冷えてしまっても、私はガネーシャを推したい」
"バナナで釘が打てそう"ってバナナも凍るくらいということなのだろうけど、この例えの出所は昔の某エンジンオイルのCM…古い!古すぎる!!古すぎて引いてしまう!!
それはさて置き、私は、いつかガネーシャ様に全力で謝まらなければならない日が来るかもしれない。
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