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【読書感想文】 蜜蜂と遠雷

本日は、『蜜蜂と遠雷』(恩田陸 著)をご紹介します。



第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞 受賞作

国際ピアノコンクールを舞台に、若き天才ピアニストたちの葛藤や音楽への愛情を描いた青春群像小説。

クラシック音楽は詳しくないのですが、文章から音楽が聴こえてくるという稀有けうな体験をしました。

兎に角、表現力が凄い。

かなりボリュームのある文章量にも関わらず、自分もピアノコンクールに参加して、観客として聴いているような心地良さを終始感じ、さらりと読めてしまいます。

ピアニストだけではなく、審査員やコンクールに関わる人たちの視点からも描かれていて、物語を現実のものとして立体的に感じられるのです。

そして、その登場人物たちの心情も緻密ちみつで感服しました。

天才は天才に感化し、進化する。

他人が羨むような才能を持っている人でも、悩んだり、迷ったり、諦めたりするものです。

でも、その悩みや迷いや諦めを吹き飛ばし、次のステージへ導くのは、新たな天才に対する嫉妬心やライバル心ではなく、感動と共感なのではないかという気がします。


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P.S.

ピアノが弾きたいけど弾けない私は、奥田民生氏の『人間2』という曲のこの歌詞に共感します。

たとえば僕に ピアノが弾けたなら
涙がわーっと あふれるような
ビューチフルな 音楽をやる

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