【読書感想文】 人生最大の問題「お金と幸せ」についての解答書 『夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神』
取り憑かれた人間を貧乏にするという神様、その名も貧乏神。
神様なだけに、取り憑かれると追い出すのはとても大変、という厄介な神様であります。
故に取り憑かれたくはないのですが、なぜか毎月手元から潔く飛び去って行く福沢諭吉先生たちを眺めていると、実は知らぬ間に取り憑かれているのでは、と疑わずにはいられません。
しかし、追い出す方法が無いわけではないようで、東京都文京区にある北野神社の脇に祀られている祠に願掛けをして、一旦家に招き入れ、21日目に丁寧に祀って送り出すと貧乏神と縁が切れるらしい、とのこと。
本当に厄介な神様であります。
生きる限りつきまとう最大の問題 「お金と幸せ」
本日は、『夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神』(水野敬也 著)をご紹介します。
ある日突然主人公の前に現れたインドの神様・ガネーシャが、夢を叶えるための大切なことを教えてくれる自己啓発エンターテインメント小説の第2弾
2012年刊行のこの作品のテーマは、人が生きる限りつきまとう最大の問題「お金と幸せ」。
以下、著者コメントより抜粋です。
ありふれた日常の中には楽しみや幸福が溢れている
この作品は、売れないお笑い芸人がなぜかガネーシャとコンビを組むことになり、最高峰のコント大会に出場し、優勝を目指す物語。
第1弾とはガラリと変わったアプローチの奇想天外なストーリーです。
煩悩だらけに思えるガネーシャの破茶滅茶具合もパワーアップしていて、振り回されまくる主人公に若干同情してしまいました。
しかし、そうは言ってもやはりガネーシャは素晴らしい教えを授けてくれます。
でもそれ以上にこの作品では、主人公に寄り添う貧乏神さんの教えの方が心に響きました。
人は生活のためにどうしても物質的な豊かさを無限に求めてしまいますが、例え莫大な富を得たとしてもそれだけでは幸せにはなれません。
もちろんお金は必要で、あるに越したことはないのですが、普段のありふれた日常の中には楽しみや幸福が大なり小なりいくらでも溢れていて、それに気がつき、試行錯誤し、喜びを与え、感じられてこそ本当の幸せを手に入れることができるのではないでしょうか。
貧しいからといって、心まで貧しくなってしまえば現実は何も変わらないどころか、より淋しくなってしまうのだということを忘れてはならないと感じました。
P.S.
ガネーシャの笑いのレベルはさて置き、主人公とガネーシャと貧乏神さんのやりとり自体がコントみたいで面白かったです。
この貧乏神さんだったら、21日間一緒に居られるどころか、私も別れづらくなってしまうかもしれません。