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最近読んだ本の話 vol.6
今週も「最近読んだ本の話」を書きます。第6弾です。このnoteを書くことが楽しみになっています。今週も3冊ご紹介します。
1、ベルンハルト・シュリンク『オルガ』
北の果てに消えた恋人へ、あなたは誰のためにそこに行くのか。女は手が届く確かな幸せを願い、男は国家の繁栄を求めて旅に出た。貧富の差や数々の苦難を乗り越え、激動の20世紀ドイツを生きた女性オルガ。彼女が言えなかった秘密、そして人生の最期にとった途方もない選択の意味が、最果ての町に眠る手紙で解き明かされる――。ひとりの女性の毅然とした生き方を描いて話題となった最新長篇。 ‐Amazonより引用-
ベルンハルト・シュリンクさんの小説を初めて読んだのですが、『朗読者』を書かれた方で、映画化されています。邦題は『愛を読む人』です。私はこの映画を1、2か月前に観たので、あの作品の原作を書かれた人だったんだ!と思いました。『愛を読む人』は途中も最後も悲しかった。何とか他の形になってほしかった、と思いました。主人公の男性が、たくさんの朗読のテープを作る場面が好きでした。
『オルガ』は、ドイツに住む1人の女性の人生を描いています。主人公のオルガは、冒険に出たまま帰ってこない恋人を待っています。読み進むにつれてオルガのことが好きになり、オルガと仲良くなったフェルディナントが大学生になっても変わらずに、オルガと一緒に過ごす時間を大切にしているところが楽しそうで素敵だな、と思いました。最後のオルガの手紙が衝撃でした。この作品を読めて良かったです。他の作品も読んでみたいです。
2、カルメン・マリア・マチャド『彼女の体とその他の断片』
「身体」を書き換える新しい文学、クィアでストレンジな女たちの物語
首にリボンを巻いている妻の秘密、
ウィルスが蔓延する世界でセックスをリスト化して迎える終末、
食べられない手術を受けた私の体、
消えゆく女たちが憑く先は……全8編収録。
最高の翻訳家たちが、それぞれにふさわしい短篇を選んで訳出!
‐Amazonより引用-
変わっている本だなあ、読んでみたい!と思い、手に取りました。こういう物語は読んだことがなかったです。小澤身和子さん、岸本佐知子さん、松田青子さん、小澤英実さんの4人の翻訳家の方が8篇を翻訳されています。現実なのか現実じゃないのか境目はわかりません。リストがすごかったです。その言葉の組み合わせは思いつかない!そんな風に思う表現がたくさんあって、表現力がすさまじいです。言葉はアートなんだな、と実感しました。
3、岩城 けい『サンクチュアリ』
イギリス系の夫、イタリア系の妻。倦怠期の〈オーストラリア人〉夫婦のもと、日本人女子大生がやってくる。文化ギャップに軋む家族は、果たして再生できるのか? ‐Amazonより引用-
物語は1948年のできごとから始まります。オーストラリアに住む家族の所へ日本人の女子大生がホームステイにやってきます。夫婦間の色々な確執のようなものが描かれていますが、外国人の夫婦のそういった事柄を日本人の作家さんが書いた小説は読んだことがなくて、新鮮な印象がありました。外国人の作家さんが書かれた外国人の夫婦の日常のできごとを書いた小説との違いはあるかないかとか、注目しながら読んでいて、そうすると日本人の女の子が出てくるところも変わっていて、異なるものが同時にある印象になるんだけど、現実はそういうものかもしれない、と思ったりしました。最後の方の妻ルチアの行動にはびっくりしましたが、最後の場面ではみんな幸せそうで安心しました。
今週も書けました。来週も書けるように今日も本を読みます。最後までお読みくださってありがとうございました。