海という私のファム・ファタール[写真集]
私は、海に救われて脅かされてきました
私は海の写真を撮ることが好きだった。
あの、果てしなく広がる青い水面、
寄せては返す白い波、
空の色を映し、刻一刻と表情を変える、
その様を。
レンズを通して見つめる海の姿は、
常に新鮮な感動を与えてくれ、
私の心を捉えて離さなかった。
人生で初めて、荒れた夜の海に訪れた時、
海の印象が一変しました。
昼の穏やかな海と、同じとは思えない、
説明できない恐怖がそこにあった。
広い大海原が、
私を飲み込まんとばかりに押し寄せてくる
真っ暗な闇。
海とは思えませんでした。
あれは、ただの闇です。
宇宙に似た、
果てしない暗闇への恐怖が
そこにはありました。
こんな荒波に飲まれては生きては帰れない。
即座に感じました。
しかし、よりいっそう海の魅力に取り込まれました。
あの夜の恐怖があったからこそ、
昼間の海の美しさが際立ち、
海の持つ二面性に、
私は強く惹かれるようになりました。
離れられなくなりました、
どうやっても、
あの海を忘れることができません。
五感を揺さぶる姿
私が海と顔を合わせるのは、
仕事終わりと休日でした。
仕事終わりの海は、疲れを癒してくれました
命を燃やすような真っ赤な夕日が輝いていました。
命を削って働いている私と同じに思えて、なんだか安心したのを覚えています。
きっと、親よりも友達よりも、誰よりも、
空が一番、私の弱い姿を見ていたことでしょう。
休日に会う海は、青く澄んでいました
心の不安を洗い流してくれるかのように、
眩しい太陽とともに、輝いていました。
心無しか、私と同じで海も穏やかに見えます。
自分の心を映し出す鏡のようでした。
一年を海と過ごす
海は、季節によっても表情を変えます
冬は、夏に比べて夕暮れが見れる時間が限られます。
そして、雲が少なくて淡い色。
夏は個性的な雲の形が見ていて楽しいですが、
淡いグラデーションの空を見ると、
冬が来たなと思います。
この記事は海へのラブレター
私のファム・ファタール、
私の海、どうか美しいままで、永遠に。
お知らせ
2年間撮影してきた海の写真から、厳選した22枚を販売します。
よろしくお願いします!