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うちの美容室、みんな分かってなかったんだろな

どうも、山吹誠(やまぶきまこと)です。

僕が働いてた美容室、けっこう高級店でして。


銀座みたいなのじゃないけど、
地域トップクラスの料金。

ひっきりなしに
おばちゃまリピーターが列をなすサロンは

毎月、高い利益率を誇っていました。


美容の技術にだけ、興味があって
美容業界に飛び込んだ山吹少年。


学生時代、
自分の髪の毛とか週1で染めてて。

ほんと、それだけに興味があった。


だから、

接客とか掃除とかはキライ、

ひたすらに技術を知りたかったんですね。


ある時、6年目の先輩に聞きました。

「店長がやる刈り上げは
どうしてあんなにキレイなんですか?」


すると

「センスだよ」


なるほど………!!!!!

こんなことにも気付かないなんて
僕はなんて未熟な美容師なんだ…

仕事、面白い…!


今度は8年目の先輩に

「6年目の先輩は
どうしてあんなに動きがキレイなんですか?」


すると

「センスだよ」


なるほど………!!!!!

こんなことにも気付かないなんて
僕はなんて未熟な美容師なんだ…

仕事、面白い…!


今度は2年目の先輩に

「8年目の先輩は
どうしてあんなにカットが早いんですか?」


すると

「センスだよ」


なるほど………!!!!!

こんなことにも気付かないなんて
僕はなんて未




もうええわ。

『分かっとらん』のやろ?

高い金取ってんのにこれかよ。


いつしか僕は、懐疑的な目で、
サロンメンバーのことを見るようになりました。

(美容師なのに、技術が理解できない…?)

ことに、理解ができませんでした。


その後、色々あって
仕事は辞めたんですんが…


後々になって考えて、

僕の中では1つの結論にたどり着きました。

いつも同じ集団に囲まれてると
自由な発想を失うんだな

てこと。


入社1年目の僕の作品が

社内コンテストで
いちばん目立ったことがありました。


サロンの先輩たちは

「なんてセンスだ」
「すごいセンスだ」
「ちょっとセンス悪い」

嬉しいアンチまで生む影響力w


何をしたのか?っていうと、

ウィッグの顔面に
新聞紙を貼り付けたんです。


バックヤードにおいてあった新聞紙、
ニュース記事のところをガサッと持ってきて、

『わいせつ』

の文字を、顔面のど真ん中に配置。


シリコン製の顔面に
普通のスティックのりでなんとか貼り付け、

濁った赤で染めた髪の毛を長く垂らす。


コンテスト当日に髪の毛を切ると
『わいせつフェイス』が正体を表す仕組み。


前日、めちゃくちゃワクワクしてましたね。

(これが俺のセンスだ!!!)


当日。

開場は静寂に包まれていました。


”下品”が許されない社風だったもんですから、

誰もが

(あれ、やばいんじゃ………)

という顔で
僕のテーブルに視線を一点集中。


なんでこんなに静かなのか、
当時の僕にはちっとも分かりませんでした。


(え、なんか全員に見られてる…)

(誰も身動き一つしない…)

(もしかして僕、なんかやっちゃいましたぁ~~~!?!?)


なんだかわかんないけど

とにかく、危機を察知して
汗だくだくになる僕…



しばらく静寂が続いて………




「パシャ」




一眼レフカメラのシャッター音。


僕もよく知る
他店舗のオーナー役員が、

僕がウィッグを切り進める姿を、

遠くから、
至近距離から、

一心不乱に撮影し始めたんです。


その瞬間、開場全体がムーブメント。


開場中に歓声が響き渡り、

僕の持ち時間が終わり、退場するまで
それが止むことはありませんでした。


『あれって、認められていいものなんだ』

という、大衆の声が聞こえた気がしました。


個が、個を忘れる。


これは会社という”集団”において
普通のことなのかもしれません。

『自己同一性』に近いですね。


自分が自分であることを忘れる。

自分の意見=集団の意見。

集団が認めないなら、自分も認めない。

集団が声を上げないなら、
自分はどう出ていいか分からない。


こんな風土で生活してませんか?


僕は30回以上転職したけど、
1度たりとも、

こうじゃなかった場所は見たことがありません。


どこに行っても必ず、


社長の判断が絶対。

リーダーの判断が絶対。

現場の雰囲気が優先。

自分から何も発信しない。


意思を持たない肉の塊が
同じ屋根の下でひしめき合っている。

それが会社である。


会社というモノから離れて暮らして
長いこと経ちますが、

当時を思い出すと
未だにこう思えてなりません。


自分が生み出した発想なんだから
自分で認めていい、ということを

どうか忘れないでほしいです。


自分が、自由な発想を
許されるべき存在であることを

忘れないでほしい。


個は、個を忘れてはいけない。


それこそ僕みたいに

「働きたくねー」

も、許されるべき価値観なんですよ。


人生を変える決断の時とか、

自分を裏切ってしまうかもしれない瞬間とか、


意思を他人に委ねるようなマネはしないで。


あなたはあなたであり、
それはあなた自身が認めるべきです。


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