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[理系による「文学」考察] 芥川龍之介"地獄変"(1919) ➡人間の業を描くのに"ドラえもん"から"笑ゥせぇるすまん"側に振り切れる大天才

"蜘蛛の糸"、"地獄変"、とも不完全な人間の業をメルヘンで描いた作品ですが、
"蜘蛛の糸"は"ドラえもん"側の作品ですが、
"地獄変"は"笑ゥせぇるすまん"側の作品です。

具体的に、いずれも、
困った状況

お困りごとを解決する奇跡な道具の登場

道具を用いて調子をこく

手痛いしっぺ返し
の流れです。

ただし、"蜘蛛の糸"は"ドラえもん"らしくポップに描かれています。
一方、"地獄変"は"笑ゥせぇるすまん"らしく皮肉暗黒面に寄ってますが、"笑ゥせぇるすまん"をはるかに振り切っています。

具体的に、"笑ゥせぇるすまん"は、自身の記憶では、さすがに死を描写することはありませんでしたが、芥川龍之介はそこから逃げず、みずから業火に飛び込んでおり、その覚悟と気合がこの作品を名作たらしめている理由でしょうが、暗黒面を描写するのはただでさえ精神的負担が大きいのに、さらに奈落の底まで踏み込む勇気は、ただただ感嘆するばかりです…

"地獄変"を書いたのが28歳(今で言うと38歳ぐらいでしょうか)のはずなので、技術的・精神的・体力的な面から考えて、その当時の芥川龍之介でしかできなかった最高の作品が世に出せたのは大変良かった…、と、勝手なお節介を、精神的・体力的な衰えを感じる年齢となった自分は焼いております。



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