ガッシュに学ぶ優しい世界
性善説は誤りだけれど、でも。優しい人もきっと沢山いる。
その優しさを素直に表現したら。
浅い、だとか、胡散臭い、だとか、宗教じみてる、だとか。詐欺師、だとか。
散々な言われ方をする世の中ではあるけれど、
それは誰かの"偽善"に騙されてきた人々が無数にいることの証明でもあるわけだ。
疑いあうことが正常化した、この人類で。
"偽善"のレッテルを回避しつつ、自らの優しさを、素直に表現伝達するにはどうしたらいいのだろう?
そんな魔法のような方法を発見した。
それが漫画である。
金色のガッシュ!!の主人公、ガッシュ・ベルは優しい王様を目指した魔界育ちの魔物で、
その優しさや純粋さで、多くの魔物や人間の心を打った。
時にはマサチューセッツ工科大学の論文を瞬時に解読する天才、高嶺清麿に心を開かせ、
時には自分よりも実力を有した強敵バリーにも畏怖の念を抱かせた。
でもよく考えてほしい。
ガッシュの考えは、ガッシュが考えたのだろうか?
違う。
金色のガッシュ!!の作者、雷句誠が考えたのだ。
つまり雷句誠は自作、金色のガッシュ!!の主人公、ガッシュ・ベルを媒介することによって、
自分からガッシュへ、ある種の無責任な責任転嫁をすることによって
自らの無防備な優しさを"疑われることなく"この世界にばらまいた。※
それによって共感した"根が優しい"熱心なファンや読者を炙り出し、
架空の存在であるガッシュを共通意識にすることや、
その道標や物語の美しさによって、
その事実を、どこかで気づきながらも、見えなくされてるのである。※
その証拠に、金色のガッシュ!!を語るとき、雷句誠の存在感が、ガッシュを上回ることも、同列に語られることも、ぼぼ、ない。
雷句誠が実はガッシュ並みにピュアな心を持っていることが暴かれることもほぼ、ない。
何度でも言う、
本当の優しさとは、無防備なものである、
何よりも弱く、何よりも利用され、時には偽善者とレッテルを貼られて、ぶちのめされる。
被害者を助けるつもりになってたのに、その被害者が嘘をついてた例なんて、きっと腐るほどある。
だから大人は、優しくなるのを諦める。
子供の心を捨て去れば、傷つかなくて済むから。
でも、諦めた"フリ"をしている大人もいる。
そんな人はきっと、今でも。メッセージを送っている。
諦めようとしている人や、
諦めてしまった人に。
物語という、"魔法"を使って。
そんな素敵な事実を、暴いてみるのも。悪くないんじゃないかなあと、思いました。どうも、偽善者です!
Mr.J-Boy