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ゆで卵は世界一単純でかったるい料理だと思うのです。
普段はインスタントのカップ麺一択の私だが、たまに気分転換がしたくなってちゃんとした生麺のラーメンを家に買ってくることがある。ちなみに今日は喜多方ラーメンを買ってみた。スーパーの棚に並んだラーメン。そのパッケージの熱々醤油味のラーメンの美味しそうな姿に惚れ込んでしまったのだ。
やっぱりこういう極寒の日には暖かい麺類が食べたくなるじゃないですか。ウキウキ気分でちょっと小走りで家に帰り、早速私は丼を出して醤油だれを開け、麺を茹でるためにお湯を沸かした。
その時私はふと、こう思った。
「そうだ、今日はゆで卵をここにのっけたい」と。
インスタントだと別に具なしでも気にしないし、スープに元々具が入っていることも多いので特段具を買うこともないのだが、こういう生麺タイプのものだとやっぱり何か載せたくなる。ネギでももやしでもいい。メンマやキムチも悪くない。
私はぐつぐつと煮え立つ熱湯の中に早速卵を入れた。ちゃんと均等に熱が通るようにコロコロコロコロ箸で転がす。コロコロ転がす。こういう知識はちゃんとあるのだ。長いこと一人暮らしをしてりゃ料理の知識ぐらいちゃんと付きますよやだなぁ奥さん。
まあ大体6〜7分ぐらい経ったかな?
卵をざるに揚げて流水で冷やしたわけです。そろそろ頃合いかと思って手に取り、卵をシンクにコンコンと打ち付けました。
この時点で、もう結構嫌な予感はしていた。
コンコンと打ち付けてもすぐに割れない。
普通ならもうちょっとすんなり破れるはずなのに。
ほら、想像してみてくださいよ。まともなゆで卵っていうのは、ヒビを入れて指で抉るとスルスルスル〜〜っと剥けてツルッツルの完成形ゆで卵になるもんである。コンビニのゆで卵とか特に優秀。めちゃくちゃ綺麗に剥けるのよ。
ところが、私が茹でて冷やして打ち割って出てきたのは、茹でたとも言い難いジェル状の卵。おいおいあんだけ沸騰したお湯に浸かってたくせして火全然通ってねえじゃねぇか。詐欺だ。詐欺だぜ。だってまともに殻すら剥けないんだよ。白身が殻にべっとりひっついて剥がれないんだわ。
思えば私は今までの人生の中でまともなゆで卵を作れた思い出が一度もない。百発百中で失敗している。茹ですぎて中から白身が飛び出てしまってたり、茹で時間が短くて半熟どころかほぼ生みたいなゆで卵だったり。
で、かったるくなって結局コンビニのゆで卵を買ってしまう。自分で茹でるのが本当にめんどくさい。いちいち茹で時間を見たり冷やして剥いてみたいなのが超だるい。こんなに単純な料理なのに、っていうか料理とすら言えないんじゃないか?と思うかもしれないが、私からしたらゆで卵は一番難しくてめんどくさい料理である。
だって・・・剥かなきゃ分かんないって
そんなギャンブルみたいな料理あります?
パスタでもまだ掬って啜れば硬さわかるよ?
で、結局今夜も私は、デロデロの生卵同然な失敗ゆで卵を啜って敗戦処理するのだった。こりゃやっぱりダメだ。やはり私はせっかちすぎてゆで卵を茹でるには向いてないのかもしれん。適性がない。才能がない。どころか生活能力がない。
以上のことから、ゆで卵というのは世界一単純で
なおかつ作るのがかったるい料理だと思うのです。
なお異論はもちろん認めます。
おしまい。
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