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「大丈夫」そう伝えたいだけなのかもしれない
わたしは現在、ライフキャリアカウンセラーとして「灯火トークセッション」というサービスをやっています。
キャリアカウンセラーとしての活動を始めたのは2022年4月。この半年たくさんのご縁をいただき、自分では想像しなかったほどセッションを対応させていただきました。
キャリアカウンセラーという仕事を知ったのは、大学2年生のとき。大学で人材マネジメントを専攻するゼミに出会ったことがきっかけです。
最低な就職率と頑張りたいけど頑張れない焦り
大学受験は自分の思い通りにはいかなかった。
というか、行く意味もやりたいこともわからなかったんです。でも、いかないという選択肢は頭の中になくて、2校だけ受験して受かった方に入学しました。
ふたを開けてみたら、当時母校の就職率は40%を切っていた。
正直かなり焦りました。追い打ちをかけるように震災。内定切り。100社受けても内定がもらえない人もざらにいた時代でした。
焦りだけが募りました。でも、やりたいこともないし、頑張りたいけど頑張る場所が見つけられない。変わりたかった、でも変わるすべを知らない。
大学2年でゼミを専攻することになり「就職率がよい」という理由で、選択肢は一択だったように思います。
「あのゼミはやばい」そう言われていました。「意識高い(笑)」そう鼻で笑われてもいました。
実際、ほんとうに全く人気がなく、募集要項には「人が好きな人はぜひ」とだけ書かれていて、入室希望者はみんな入れるようだった。
そもそも、人をたくさん集める気がさらさらないのだろう。
入室を決める際、各ゼミの説明をするオリエンテーションがあって、どの教授も自分のゼミを精一杯アピールしていた。けれど、そのゼミの教授だけは欠席だった(笑)。ほんとうにどこまでも我が道を行く人なんです。
誰にも相談しないで、決めた。このゼミで頑張る他ない、そう思っていました。
冠野球殿と「お前なに言ってるかわかんない」
ゼミ生は13人。その前に仏のごとく笑うマスコットのようなかわいらしい教授が座った。温和で優しそうな人である。
完全になめていたんです。わたし(たち)は、全然わかっていなかったのだ。この人の本性を….。
1カ月過ぎたころにはゼミ生が9人になっていた。やってらんねーよ、とのことだった。気持ちは、わからなくはない。
とにかくスパルタで、わたしが知らない言葉をどんどん使う人だった。当時いまとは比べ物にならないぐらい本当に無知だったわたしは、教授が言う「カンブリア宮殿」をずっと「冠野球殿」だと思っていた(はずかしい限りである)。
なぜ野球を見るよう勧めるのか全く理解できなかった(そもそも野球を勧めてはいない)が、そんなことよりもほかにもっと重要そうでわけのわからない単語が飛び交うので、そちらをメモすることで手いっぱいだった。
ゼミ生に「どう思う?」と頻繁に聞く人だったが、話を途中で遮って「お前なに言ってるかわかんない」と言い放つ人でもあった(笑)。一番「意味わかんない」と言われていたのは、おそらく現在わたしの夫となった彼であろう……。
意味不明な分厚い本を何冊も読んだ。読んでもわからないけれど、ひたすらに読んだ。
意味わかんないといわれない程度に、発言できるようになりたかった。教授の呪文のような講義をちゃんと耳で聴きとって理解できるようになりたかった。
就活のために入ったけど、途中から就活はどうでもよくなっていて、とにかく目の前のこの意味不明なものを少しでも自分のものにしたいと思うようになっていました。
成果はその人の能力と環境の関数で決まる
当時のわたしの脳みそ、ほんとうによく頑張ったと思う。勉強なんてろくにしたことがなかったのに、驚くほどに意味のわからない呪文のような講義をなんとかわかろうとして、全然わからなくて、それでも理解する努力をしていたのだから。
徐々にわからなところがわかってきて、なんとなく言わんとしていることを理解できるようになった。自分の意見を論文にまとめられるようになるまで約1年。よく耐えたといった方がいい。
そうそう、少しづつ教授との距離が近づいて、その正体を知っていくうちに、この人がどれだけすごい人なのか、わたしはやっと理解し始めたのです。
正確にはどれだけすごいのかは、社会人3年目ぐらいでさらに実感することになり、いま10年経って、ほんとうに頭が上がらないほど偉大な人であるとの理解に至った。
学歴、経歴、実績、人脈もさることながら、教授の一番のすごさは学生とのかかわり方にあると思う。
理不尽に敏感なわたしは、きっと「何言っているかわからん」とか言って話を遮られたら、普通なら違和感を覚える。どんどん意味不明なことを話されたら、ちゃんと説明してほしいとか思っただろう。
でも、教授に関してはそんなことを思ったことはなかった(思う暇さえなかったとも言えるけど)。
なんとなく、この人についていけば大丈夫だと、この人と共にいま目の前にあるこの意味不明な、なにに活きてくるのか正直わからない問題に真剣に取り組んでいれば大丈夫だと思わせてくれるのだから。
そして、ことあるごとに「お前は大丈夫だ」「もっとできる」と伝え続けてくれた。そう、わたしにとって教授からの課題は「無茶ぶり」ではなく、まさしく「ストレッチな目標」だった。
「成果はその人の能力と環境の関数で決まる」
これは人材マネジメントの中ででてくる公式なのだけれど、まさにこれを体験してしまった。理論が実態に落とし込まれた瞬間から、この学問の沼にはまっていったのでした。
そしてそれ以降、人よりも関心を寄せられるものが見当たらず、わたしはずっとHR界隈にいる。そして、これからもきっと「人」の領域から出ることはないのだろうと思います。
「お前なら大丈夫」そう言われたくて
大学を卒業してからもご縁をいただき、社会人向けの授業を受けさせてもらったりして、教授とは長くお付き合いをさせてもらっている。
なにせ、国家資格キャリアコンサルタントの試験を作っている人だ。技能士1級の保有者なのだ。キャリアに悩んだらこの人に聞けばいい。
それに、もはや教授はわたしにとって大切な父のような存在なので、いまなにをしているのかを伝えたいと思うし、頑張っているところを見せたくて日々生きている感覚すらある。健やかにあなたらしく生きていてほしいと願う人でもある。
2022年、わたしは人事のキャリアではなく、キャリア支援者としてのキャリアを模索していた。なんとかスタートラインに立つことができたので、報告がてら先日教授に会いにいきました。
話しながら思ったのだけれど、わたしはいつもこの人から「お前なら大丈夫だ」と言ってほしくて会いに行くんだろうね。絶対にそう言ってくれる、そう言ってもらうために頑張っている。そんなところがあるのだろうと思います。
そして、さらに思ったのです。わたしはただ「大丈夫だよ」って言える人になりたくてキャリアカウンセラーをしているのかもしれない。
根拠なき自信ではなく、理論と実績と体験をもって「大丈夫だよ」と人の心に光を灯して、行動を変え、未来を変える教授のような存在になりたいのかもしれない。そう思う。
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