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アルバムレビュー

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レビューの少ないアルバム、好きなアルバムを自己満足でレビューしてます
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Count Basie & Joe Williams -  Memories Ad-lib(1959)

Count Basie & Joe Williams - Memories Ad-lib(1959)

カウントベイシーというとビッグバンドのリーダーでピアニスト、出しているアルバムは多すぎて(オスカーピーターソン、MJQも同様)何から聞いていいかわからないイメージが強いですが本作ではベイシーのオルガン+リズムセクション(曲によってはトランペットも)にボーカルというスモールコンボでの演奏になります。ベイシーの本業の人のそれとも違うコクのあるオルガンはファッツウォーラー譲りで選曲にもファッツへのリスペ

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Lou Rawls - Live! (1967)

Lou Rawls - Live! (1967)

ルーの初のライブアルバムです。自身のヒット曲はもちろんヒットしたてのスタンダードも披露しています。この時はグラミー受賞やシナトラを押さえて人気男性ボーカリスト一位など単なるジャズやブルースシンガーに留まらない評価がなされた頃です。スタンダードはそれ故の選曲だと思いますがルーの歌唱力と手堅いバッキングはどんな曲であっても粋なスウィングと泥臭いブルースを感じます。

メンバー
ルーロウルズ:ボーカル

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Santana. Amigos (1976)

Santana. Amigos (1976)

ラテンロックから路線変更してスピリチュアルな方向に向かったサンタナですがここでまた路線変更してまたラテンロック路線に戻ってきました。
しかし、以前と全く同じではなくよりダンサブルでソウルやファンクの要素が強いベイエリアサウンドで個人的には一番好きな一枚です。

メンバー
カルロスサンタナ:ギター、ボーカル
トムコスター:キーボード
デヴィッドブラウン:ベース
レオンチャクラー:ドラム
アーマンドペ

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Quincy Jones - The Birth Of A Band (1959)

Quincy Jones - The Birth Of A Band (1959)

 クインシージョーンズが亡くなりました。半世紀以上にわたって様々なジャンルでプロデューサー、アレンジャー、バンドリーダーとして活躍してきました。追悼記事やニュースの多くは80年代のポッププロデューサーとして彼にフォーカスをあてたものが多いですが、やはり70年代中盤ごろまでのジャズミュージシャンとしての作品に一番魅力と愛着を感じます。
 本作は彼が初めてビッグバンドを立ち上げた記念に制作されました。

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Louis Jordan - Rock'N'Roll

Louis Jordan - Rock'N'Roll

大きな目をぐりぐりさせたユーモラスな風貌でアルトサックスはソウルフル、歌も下世話なアップナンバーからしみじみとしたバラードまでお手の物。大衆芸能の真髄ともいえるルイジョーダン。その音楽性はロックンロールを、風貌とアルトサックスはメイシオパーカーを思わせますが過小評価されすぎな気もします。ロックンロールはブルースとカントリーの合いの子だとかチャックベリーが始祖だというのが定説ではあるものの彼はロック

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Randy Crawford – Now We May Begin(1980)

Randy Crawford – Now We May Begin(1980)

ストリートライフでボーカルを導入してヒットを記録したクルセイダーズ。そこでボーカルを務めたのが本作の主人公ランディクロフォードです。彼女は1975年キャノンボールアダレイのアルバムへの参加を皮切りにいくつかのフュージョンやAOR作品に参加すると同時に、自己名義のアルバムもいくつかリリースしています。本作ではクルセイダーズが演奏とプロデュースを努めており他のミュージシャンも皆クルセ人脈でかためられて

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Herbie Hancook - Dedication (1974)

Herbie Hancook - Dedication (1974)

本作は当時流行っていたピアノソロにハービーが挑戦した一枚です。ただし本当の聴き所はアコースティックピアノソロではなくB面(CDだと後半二曲)に収録された各種電気キーボードを多重録音した曲です。録音は日本側からの提案で、スタジオに電気キーボードを持ち込みセッティングする時間が無かったためライブ会場でリハーサルを兼ねて収録されたそうです。ほぼ事前準備なしでここまでクオリティの高いアドリブをくり広げるハ

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Wilton Felder - Inherit The Wind (1980)

Wilton Felder - Inherit The Wind (1980)

本作はクルセイダーズのサックス・ベース奏者のウィルトンフェルダーの3rdアルバムです。クルセイダーズのラプソディ&ブルースやクルセ初のプロデュース作品であるランディクロフォードのNow We May Begin(未紹介ですがいいアルバムなのでいつか紹介します)の制作後に作られておりサウンド的には似通った部分もありますが、ボビーウォマックをボーカルに迎えて久々に汗臭くディープなサウンドになっています

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Wilton Felder - We All Have a Star(1978)

Wilton Felder - We All Have a Star(1978)

今日はウィルトンフェルダーの2ndアルバム星の伝説を紹介します。サウンドは時代を反映して洗練されたものですが同時期のクルセよりも彼のルーツである南部の音楽の要素も違和感なく溶け込んでいて彼の音楽の志向が見て取れます。ちなみに配信はないみたいです。

メンバー
ウィルトンフェルダー:サックス、ベース、ボーカル
グレッグフィルゲインズ、ジョーサンプル:キーボード
ティムメイ、ローランドバティスタ:ギタ

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Billy Preston - KIDs & Me (1974)

Billy Preston - KIDs & Me (1974)

5人目のビートルズとも呼ばれるビリープレストン。しかし彼の功績は単にビートルズのセッションに参加したりストーンズのツアーに参加したキーボード奏者という添え物的なものにとどまりません。彼がソウルのキーボードの革新に及ぼした影響は大きく特に69年から71年の彼のキーボードのチョイスや楽曲への持ち込み方は後に革新をもたらしたスティービーワンダーがわずかばかりに興味を示し、ジョージデュークがジョーザヴィヌ

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Phoebe Snow - S,T(1974)

Phoebe Snow - S,T(1974)

フィービスノウのファーストアルバムです。リリース元はレオンラッセルが設立したシェルターですがスワンプの匂いはほとんどせずジャズとブルース、フォークを融合した素朴ながらも美しいサウンドです。参加ミュージシャンは詳しくは後述しますが興味深い人々が集まっています。ちなみにアルバムジャケットですが日本版のみ左下にゴールデンゲートブリッジの写真がコラージュされています。

メンバー
フィービスノウ:ボーカル

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Ramsey Lewis - Golden Hits(1973)

Ramsey Lewis - Golden Hits(1973)

 本作はラムゼイルイスのベスト盤です。ただし一つ疑問が。本作に収録された曲を吹き込んだチェスやアーゴ(カデット)はCBSとは一切関係ないはずなのになぜ?そんな疑問をもちつつ針を落とすと驚いたことに再録盤でした。しかも単なる安易な再録ではなく電気楽器をふんだんに使った当時最新の最高にファンキーな演奏です。当時結構売れたようでレコード店ではThe In Crowdの次によく見る気がします。ちなみにCB

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Santana - Borboletta(1974)

Santana - Borboletta(1974)

キャラバンサライやウェルカムから一気にジャズ要素や精神性を強めたサンタナ。本作でもその路線は継続されておりますがメンバーチェンジの影響かソウルやファンク的な要素も多く含まれています。ただファーストからソウル、ファンクの要素は僅かながらもあったので原点回帰なのかもしれません。ジャケ写はラミネート加工がしてあります。こういう特殊なジャケットは些細な加工でもCDでは出来のいい紙ジャケでない限りは普通のジ

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Johnny Guitar Watson - A Real Mother(1977)

Johnny Guitar Watson - A Real Mother(1977)

愛すべきチンピラ感が大好きなジョニーギターワトソン。一生懸命悪ぶっているけど楽しそうで周りの悪ノリになんだかんだ言って付き合ういい人かチャラいけど性格はいい人なのかなとジャケットを見て思います。ジャケのバカバカしさとは裏腹にドラムとホーン以外を自分で演奏する器用さを見せるだけでなくベースを全てシンセにやらせるという当時スティービーワンダーくらいしかやっていなかったことをする革新性や当時ヒットしてい

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