シェア
「どうしたの? ほんとこのごろ変だよ」 「すごーい。風ちゃん、難しいこと考えるね。大人だ…
ひとつ、ふたつ、みっつ……。 藤原の霊泉近くの大木の上に、ひとつの影があった。 フ…
「お礼よ、風花」 スーフィアの肩掛けは軽いのに暖かい。 「今回、風花は本当にがんばって…
柑実の精霊の優月は、夏澄との会話が途切れた合間に、草花を見つめた。 彼女は愛らしい笑…
優月は遠くに見える夏澄に、もう一度心の中で頭を下げた。 夏澄にも、飛雨たちにも、つら…
風花は辺りを見まわす。 蜜柑の木の根元に夏澄を見つけた。ちらっと彼を盗み見る。 夏…
夏澄くんは草花ちゃんと同じ……。 優しくてかわいくて、でも儚げな草花。 ちょっとしたことで、すぐ消えてしまいそうだ。 夏澄は草花よりはずっと強い。だが、どこか儚げだ。 なにかあると、簡単に消えてしまいそうな不安感がある。 優しく生まれた夏澄は、きっとすぐ無理をする。 草花のように、がんばりすぎて弱り、透きとおって消えかかる夏澄の姿が目に浮かんだ。 そんな想像を、風花はあわてて打ち消した。 「あの、スーフィアさん……」 「なあに?」 「もしかして
「……わたしも、夏澄くんを護りたいです」 「ありがとう、風花」 スーフィアはささやき、…
「風花ー、スーフィアー!」 ふいに、夏澄の声が響いた。彼は立ちあがり、風花たちに手を振…
風花は春ヶ原をゆっくりと眺める。 一面の桃色しろつめ草に、それを囲んでいる色とりどり…