【毎週ショートショートnote】三日月ファストパス

　夜空を見上げると、三日月が優し気な光で周りをほんのりと照らしている。春の夜はどことなく妖し気で物事の境目すらも溶かしてしまう様だ。

　あの人もこの月を見ているのかなと私は思う。忙しいあの人は今頃はまだ仕事に追われている時間かもしれない。遠い所にいるあの人に会いたくて触れたくて、もどかしい。

　お互いに今はまだ目の前のできる事を淡々とこなすだけだ。あの人の私への気持ちを信じて、歯を食いしばって生きていく。それでも不安で揺らいでしまいそうになるけれど、あの人だって頑張っているから私も頑張る。

　泣き虫だったけど、もう泣かない様に強くなりたいと思う。いつかあの人に会った時に褒めてもらえる様に。

　この三日月をあの人に投げたら受け取ってもらえるだろうか。これは三日月ファストパス。何回目かの満月の夜にあの人に会えるファストパスだ。

　あふれた涙をそっと拭って春の夜空に手を伸ばし、浮かぶ三日月をあの人が住む町へ向かって思い切り投げてみた。

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今週のお題は「三日月ファストパス」です。

三日月という事でベタですが、この歌が浮かんできました。

曲からショートショートです！
三日月の世界観をイメージして書いてみました😊

空浮かぶ三日月君に投げたなら
愛してるって届くでしょうか

ついでに短歌も詠みました！
三日月君ではありませんｗｗ

今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪

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