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水押
2024年10月14日 23:45
空は遥か君は遠い手を伸ばしても何も届かぬ袋小路の中で残された日々の虚しさに苦笑するほどの力もない人と人とが巡り会う奇跡の上に成る力というものがもはや私にはない私の見る世界を君に届くことを願うけど響くのは 私の足音だけそれが これ程私を無力にするのか素知らぬ顔して過ぎる日々穏やかな景色世界は遠いそれでも 歩まねばならぬ私の僅かな 精一杯の力で遥か先にある
2023年11月15日 03:01
僕は 僕が僕だと 自信を持って言うことができない細胞も記憶も感情も 朽ちては入れ替わる僕を 僕だと証明するものは 何もない生きながら流転する みじめで 愚かな 一個体君と僕とに どれほどの違いがあるだろう君は不確かで 何の証明もできないように思えるけれど僕の方が 充分 不確かな存在ではないかどうか 僕の体を引き裂いてたとえ 僕が不確かでも君が不確かでも僕の中の君だけは
2023年10月14日 05:12
扉の向こうで君は笑って手招きする書いた言葉の拙さに 苦笑しながら私は 今日の扉を開くきっと明日は知らない花を見つけよう知らない道を探してみよう君に まだ知らない景色を 見せたいんだ探していたのは 君の言葉今でもいつも 胸にある他のものは何も この手の中に残っていなくてもそのひとつのために 生きてゆこう君が私の背中を押すから私も君に 新しい季節を送るよ私が辿るす
2023年9月7日 05:40
僕をここに迎え入れて君の近くに居たいんだこの音楽が止むまでに僕の心が 日常の中に埋没される前にこの手の中の 僅かなものとさよならをしてしまいたい記憶はゆっくりと退いて僕の存在を不確かなものにさせていく細胞が入れ替わって僕が 僕だという君が愛した 僕だという証が消える前にどうか僕を迎え入れてそうすれば 永遠に永遠に さよならを捨てるよ追伸The Smiths
2023年8月1日 05:08
僕は永遠の魔法の時間の中にいると言い切れるだろうか君は夢であり 魔法でありそしてどこまでも 重い現実だ一生分の孤独と引き換えに君への愛を誓う誠実の仮面を被った 貪欲さでこんな眠れない夜には いつも君のことを思う堕落を貪って そこから抜け出せないように君を見つめているこんな気持ちはきっと 愛とは呼べないだろう 誰の評価も欲しいわけじゃないけど僕の心が誰かに
2023年4月22日 17:26
この扉を開ければ暗闇の世界が待っているだろうそこに 「私」は存在するのだろうか貴方がいる場所は寒いだろうか冷たいだろうかこちらへと手招いても貴方は寂しく笑うだけだったそれさえも 記憶の影なのかもしれない今日のところはお別れ闇を抜ける その日まで永遠が ないのであれば私も貴方と共に 闇に帰るまで
2023年4月6日 15:35
私は迷いの中で生きている必要なものほど 不確かで大切なものほど 目には見えない手の中の希望は打ち捨ててしまえば きっと 楽になれる無知であるということは 眩しい程に幸福なことだろうそれであるのにいったい 何を知るために何を得るために明日 私の心が打ち砕かれないとは限らないそんな日々の中でもいつか 私が焼かれる時骸の奥底に沈んでいるだろう君のために未だ希望は捨てら
2023年2月18日 15:19
雨の日は 心が遮られるようだ形のあるものと形のないものに どれほどの違いがあるだろう形のないものなど 存在しないのなら僕の心など この世のどこにもない僕の考えたことなど 何の意味もないこの世の不純物を飲み込んで僕はまた 君よりもずっと 汚れていく洗い流す術もない空があんまり意地悪をするから僕の心は宙ぶらりん君はきっと 心配そうな瞳をして僕の顔を覗き込んでいる
2023年1月18日 19:45
私は 変わってしまった 共有できるものは もう何もなくなってしまった無邪気に 無知でいられた頃には二度と戻れない時は私を押し流して行く心だけを置き去りにして変わっていくのも 君だよと足跡すべてを あなたが愛してくれるのなら 私は望んで変わりながら 生きていこうたとえ 地中に埋められても変わらぬ心を友として
2022年10月14日 00:00
あなたは見ていただろう思い出とともに 自分自身さえ消え去ってしまいたいと願っていた私を形に残ることなく いずれ消えるのならば何もなかったことと同じだと私は信じ込んでいた長い冬に凍て切った心だからこそ気づいたことがある形あるものよりも大きな 思いがあることを繋がりあう思いが 私を生かしていることを流れぬ季節の中で 春の陽だまりのような 私とあなたがいるいずれは私も 形なく消
2022年10月1日 19:04
意味もなく 言葉を書いて揺れながら 今日を生きてく届けたい 言葉はあれど手紙にさえなれぬため息移りゆく 季節の色の彩りも遥かに霞むあんな日は 二度とあるまいあんな日は 二度とあるまい追伸フォローさせていただいている方の長歌の作品を見て、私も書きたいと思って書いてみたのですが…結果的には五七調の定型詩になってしまいました。『源氏物語』が好きで、最近は「幻」の巻について
2022年8月30日 20:24
また来ん春と人は言う何を言おうか 早や春はすでに私を追い越して遠く届かぬ 夢の中思えば桜の木の下で君と出会った春の日に花は俄に匂い立ち世界は色づき息づいた詰まらぬ話も 頷いて笑顔をくれた 君は今月の光の影の差す森で息を潜めてるこの世の地獄というものをなんにも知らぬ顔をしてまた来ん春と 人は言うまた来ん春と 人は言う追伸中原中也氏の「また来ん春」という作
2022年9月27日 15:31
ひとりひとりに失った 時間失った場所失った人がありそれぞれ痛みを抱えて生きているけどきっと 永遠に分かちあうことは出来ないそれでも私の言葉 動き誰かに対する 手の差しのべ方にさえそのひとつひとつにきっと あなたがいるきっと 誰もが──
2022年8月5日 05:47
君に預けた心が今もどこか遠くで 微かに音を立てている果てしなく続く この道はただ 僕だけの道いつもの帰り道笑い合う恋人たち心許し合う親子たちしあわせの色をした 人の群れそんな ひとつひとつの景色に失った未来を数えているそんな景色を 当たり前のことだと無邪気に信じていた あの日の僕が 何もかもが色褪せた 僕の横を通り過ぎる悲しい時はあたたかい雨で 君は泣いてくれるけ