詩「桃幻郷」

空は遥か
君は遠い

手を伸ばしても
何も届かぬ袋小路の中で
残された日々の虚しさに
苦笑するほどの力もない

人と人とが巡り会う
奇跡の上に成る力というものが
もはや私にはない

私の見る世界を
君に届くことを願うけど
響くのは 私の足音だけ
それが これ程私を無力にするのか

素知らぬ顔して過ぎる日々
穏やかな景色
世界は遠い

それでも 歩まねばならぬ
私の僅かな 精一杯の力で
遥か先にあるという 春を目指して

残された道の
痛みも喜びも
刻む鼓動のすべてが
君に 伝わるように

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水押
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