共感できないもの 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
共感できないことってたくさんあります。
たとえば、潰れたトマトを全身にまとって走りたいと思ったことは一度もないし
ジェットコースターやバンジーを試すならお化け屋敷の方が100倍いい。
きのこの山派の気持ちは一生分からないでしょう。
些細なことは置いておいて、仕事ではそういうことが多々あります。
それについて、最近思っていることが書かれていたのがこの本でした。
ブレイディみかこさんというイギリスで子育てをされている方のエッセイです。
階級問題や人種差別について、子育てを通して描かれていて、「ほえ~日本とはずいぶん違うんだなぁ」とじっくり読めます。
そのなかで最初の話とつながるのが、イギリスの学校で教わる「エンパシー」の話です。
著者によると、「エンパシー(Empathy)」と「シンパシー(Sympathy)」は似ているようで違うと言います。
シンパシーは、かわいそうな人や同じ考えの人に対して同情・共感すること。一方エンパシーは、かんがえによらず他者の気持ちや立場を理解する「能力」のこと。
分かりやすい部分としてこんなふうに書かれています。
シンパシーのほうはかわいそうな立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して人間が抱く感情のことだから、自分で努力をしなくとも自然に出てくる。だが、エンパシーは違う。自分と違う理念や新年を持つ人や、別にかわいそうだと思えない立場の人々が何を考えているのだろうと想像する力のことだ。
そこでわたしは
「ああ、エンパシーは頑張らないとできない"能力"なのかぁ」と妙に納得したのです。
はたらいていた時、上司のことが理解できず、じぶんとはまったく別の、まるでケンタウルスみたいな生き物だと感じていました。
さも正論という顔をしていろんな人を刺したり、じぶんだけ得しようとすることに、何度も悲しい思いをしたのです。
わたしは彼を違う人間だと切り捨てたわけだけれど、もし一瞬でも彼の立場に立っていたら、違う考えや解決策が生まれていたかもしれないなぁと思いました。
そしてそれは、頑張らないとできないことです。だからこそ、頑張ることをあきらめてはいけないといまは思うのです。
いつかきのこ派の気持ちがわかる日が来るのだろうか🐾