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私のイタリア暮らし・今日のおいしかった!

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イタリア、トリノで26年も暮らしています。トリノはワインやらトリュフやらチョコレートが有名だけど、実はそれだけじゃなく、実は人々はとても食いしん坊だとか、イタリアの有名食企業の多…
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明太子自家製してみました。そしてイタリアでは今も元気な市場文化について

明太子自家製してみました。そしてイタリアでは今も元気な市場文化について

明太子を作った。と言ってもタラの卵ではなくて、スズキの腹子だけど。

イタリアには今も各地に市場がたくさんあって、みんな普通に買いに行くという話

私が30年近く暮らしているトリノも例外じゃない。トリノはイタリア国内で4番目に大きい都市だけど(1番ローマ、2番ミラノ、3番ナポリ)、その街のあちこちに常設の露天市場が、市役所のデータによれば33カ所もあって、人々は、質のいい新鮮な野菜や果物を買おうと

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アドリアやらボットゥーラやらが学食ランチを作るというすごい大学で、さて吉兆は何を作ったか、という話。

アドリアやらボットゥーラやらが学食ランチを作るというすごい大学で、さて吉兆は何を作ったか、という話。

京都吉兆が学食ランチを作ったという、このニュースに関する正式な記事は後日、某媒体に書くことになっているんだけど、とりあえず速報(ってもう10日も前の話だけど)ってことで、何を作ったのか?気になる人も多いと思うので、ここに書いておきます。世界のトップシェフたちがやってきては、学食ランチを作ってくれるという、イタリア、ピエモンテ州の食科学大学での話です。

日本の、京都の、懐石の最高峰、ということでど

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またまた番外編。イタリアにて、京都吉兆がすごいイベントをするアシストをしていますの巻。

またまた番外編。イタリアにて、京都吉兆がすごいイベントをするアシストをしていますの巻。

毎週の更新を目指して、今回は抗がん剤治療スタート!の予定でいましたが、先週から今週にかけて怒涛のような日々を過ごしていて断念。治ったばかりなのに無理しちゃだめ!と友人家族から心配されるので、代わりになぜ、怒涛のような日々かという話です。

イタリア、ピエモンテ州ポッレンツォという場所にある「食科学大学L’Universita scienze gastronomiche di Pollenzo」は、

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カフェ・シェケラートとグラニータ入りビール

カフェ・シェケラートとグラニータ入りビール

イタリアの夏は、いきなりやってくる

昨日まで寒くてセーターやらダウンやら着て冬みたいだったのに、太陽が顔を出したかと思うと、いきなり真夏のような暑さで半袖短パンになりたくなる。イタリアの春から夏は、そんなふうに移行していく。日本のように三寒四温とか、梅が咲いて、桃が咲いて、そして桜が、みたいに徐々に春を感じていくような、そういう情緒はなくて、一気に暖かく(暑く)なるから花たちも一気にドバーッと咲

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待ちきれない黒豆

待ちきれない黒豆

ついボーっとしていたら、あっという間に1月が半分過ぎた。それでも私は、上手に煮えた黒豆を毎日大事に食べては、嬉しくなっている。

黒豆が大好きで、お正月のお重の一角にほんのちょびっと盛り付けてあるのをお箸で一粒、ふた粒、じゃなくてスプーンでごそっとすくって食べたい、口いっぱいに黒豆を感じたい。そう思って生きてきた、なんて言うのは大袈裟だけど。

それで好きが高じて、いかにおいしく黒豆を煮るか、をか

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クマニラバターとアンチョビのブルスケッタ

クマニラバターとアンチョビのブルスケッタ

私が住んでいるのはイタリアの「クマニラの里」。

イタリアで4番目に大きな都市トリノの、中心街から車でほんの20分ほどの森の中。街から遠くないのに、猪が出たり、牛が放牧されていたりという長閑なところが気に入って、10年前に引っ越しました。住んでから知ったのが、この辺りは「クマニラの里」だということ。

3月後半から5月初旬頃にかけて、クマニラが一面、わーっと生えて緑色に埋まる。木漏れ日の間にびっし

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発酵がおもしろい。

発酵がおもしろい。

前にも書いた、イタリア発酵界の第一人者、カルロ・ネスラーさん。彼の、ヘーゼルナッツで作るお味噌はめちゃおいしい、という話。

そのカルロさんに、ついに会いに行ってきた話を記事にした。彼に会いに行くために、そして記事を書くために、遅まきながら発酵について少し真面目に勉強してみた。世界的発酵の第一人者と言われるSandor Ellix Katzの『The Art of Fermentation 発酵の

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カルロさんの味噌汁

カルロさんの味噌汁

去年の9月、娘が遠くの大学に入学して一人暮らしを始めたので、私も平日は、ほぼお一人様の夕ご飯だ。原稿書きやグレースの散歩で結構忙しいので、自分の好きなものをたっぷり作って、毎日同じモノを食べ続けるのは、全然嫌じゃない。娘がいたらさぞ文句を言われるだろうな、と思いながら、3日も4日も温め直して同じものを食べている。

だから温め直してどんどん美味しくなる料理がいい。おでんとかカレーとか野菜の煮物とか

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タンポポサラダと50度洗い

タンポポサラダと50度洗い

春になるとタンポポのサラダがおいしい。

冬の間に食べまくった、牛肉の赤ワイン煮込みやら、ポレンタのゴルゴンゾーラがけやら、卵たっぷりの手打ちパスタうまうま肉ソースあえ、パネットーネにティラミスにワインにワインにワイン! そんなのをギュウギュウ詰め込まれて疲れ切った肝臓、春の苦味のある野草は浄化してくれるんだそうだ。いろんな、おいしい野草があるけれど、無知な私は、一番わかりやすくて間違えないのがタ

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