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MIURA流 登山塾「ippo」

ミウラ・ドルフィンズでは鹿屋体育大学の山本正嘉教授をはじめ三浦雄一郎・豪太親子とともに、より快適に、より安全な登山を行うためのデータを測定し、登山者のための実践的なトレーニング方…
毎週月・水・金曜日の12時に更新!このippoマガジンでは、科学的な根拠のあるMIURA流のトレー…
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2020年10月の記事一覧

クライミングが上達した要因を分析してみる

クライミングには複雑な要素が組み合わさっています。難しい岩を登ることや、グレードが高い課題を登るためにトレーニングをしている方は多いですが、「強くなった」「登れるようになった」とき、その要因について考えたことはあるでしょうか?もしその要因がわかれば、次の目標が見つかった時に、効率の良いトレーニングプランを考えることができると思います。 今回の内容は、「クライミング未経験者にクライミングのトレーニングを行わせた時、パフォーマンスアップにつながった要因は何だろう?」という内容で

「痛みに強い」のはいいことじゃないのかもしれない

先日、クライミングジムで登っていた時のこと、体を捻りながら高い位置のホールドを掴みにいったら肩を痛めました。「痛み」は人によって感じ方が異なります。私にとっての「痛み」はもしかしたら他の人によっては「痛み」として捉えられないこともあると思います。 その後もしばらく他のところを登れたし、なんなら別の高いグレードの壁を登れるくらいの状況でした。継続できたのは、痛みが出る動きと、違う動きをする壁だったから。でもひどくなることが嫌だったので、帰宅してすぐにアイシングを行いました。(

高所登山の“高所”って何メートル?

登山をする方だと、きっと耳にする「高所登山」。そもそも“高所”ってどのくらいの標高のことをいうのでしょうか?富士登山を目指す100名の方々に「高所って何メートル以上だと思います?」と尋ねたアンケート結果があります。 質問:高所って何メートル以上だと思いますか? 100名の答えの平均値:約3200m(2500〜4000m) 登山の生理学では以下のように分類されます。そして標高ごとに高山病の症状も分類させています。

動きを動画で確認するって大事

自分の歩き方や走り方を動画で見たことってありますか? 最近、オンラインでの打ち合わせやトレーニングの動きの動画作成をすることが増え、自分の動きだけではなく、話し方なども客観的に見る機会が増えました。 撮影されることや画面を通して自分を見ることは恥ずかしくて苦手だったのですが、いろいろな発見があることに気付きました。「私の話し方って、人からみるとこう見えているんだな」とか「この動きは改善したほうがいいな」とか。 特に面白いのがトレーニングの動画です。最近、ジムや外岩でのク

登山のためのトレーニングって山を登るしかないの?

快適に山を登るために、日頃から体力トレーニングを行うことは大事です。「登山のためのトレーニングは、山を登るしかない!」と言われていた時代もあったようですが・・・、日常生活にも「山」のためのトレーニングを入れることで、登山に必要な体力を鍛えることができることがわかっています。今日は、「山を登ること」と「山を登る以外の方法」で、どのくらいのトレーニングを行うと、体力を鍛えることができるかという内容をお伝えします。 1.「山を登る」ことをトレーニングとした場合1週間に1度の低山登

スポーツドリンク+クエン酸の効果について

真夏の暑さがうそのように涼しい季節となりました。夏場は脱水にならないために水分補給に気をつけると思いますが、寒い時期でも運動中の水分補給は重要です。今日はその水分補給について、スポーツドリンク+クエン酸の効果についてお伝えしますね! 気温25℃前後の2時間程度の低山登山の際、Aグループ:市販のスポーツ飲料、Bグループ:クエン酸(5g)を混ぜたスポーツ飲料、の2グループで登山前後の体重の変化などについて調べた論文があります。(髙木祐介ら、登山医学.2015)

10月3日、4日は登山医学会です

今週末の10月3日、4日は登山医学会が開催されます。今年はオンラインでの開催ということです。「学会」というと堅苦しいものを想像しがちですが、最新の情報を聞くことができる貴重な発表会という感じです。 ここで発表されたデータは学会誌にも掲載されます。登山医学の学会誌も2019年で33年目を迎えました。それだけ毎年貴重な情報が掲載されているということですね。 この登山塾ippoでは、掲載された論文をわかりやすく改定させていただいていることもたくさんあります。登山塾ippoととも