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息子のアトピーに対して私がやっている中医学&薬膳の養生方法

もうすぐ9歳になる長男は生まれた時から湿疹があって、生後半年の時に小児科で「アトピー性皮膚炎」の診断を受けました。

赤ちゃんの時は顔や体をかきむしってしまうので、手にメッシュのミトンをはめていたのを覚えています。


アトピーの大半は大きくなれば治る?

小児科の先生は「湿疹にはステロイドの塗り薬を使って、小学校あがるくらいまでは治るかもねえ」と言っていました。

長男のアトピーはたぶん軽い方だと思います。乳児期を過ぎると顔には湿疹は出なくなり、小学生になった今は肘や膝裏、お腹などに湿疹が出た時にステロイド剤を塗る程度。

いつも使っているステロイド。
ステロイドの強さランクは普通。
たまに「ボアラ」というワンランク上のステロイドを処方されることもある。

薬膳を始めてふと立ち止まってみると、小学校上がるくらいには~と言われていた時期はとっくに過ぎてもう小学校3年生になってる!

私も小さい頃、軽いアトピーがあったけど小学校にあがるくらいに自然と治ったので、長男も治るだろうと軽く考えていました。

でも、長男のアトピーは続いていて、湿疹が悪化したらステロイドをもらうのを続けているし、特に悪化すると内服薬も併用してステロイドも強いランクへアップすることもある。

あれ、これって私が無月経を病院で治療していた時と同じだ、とふと気づいた。

10年以上も「いつか治るかも」と医師に説明されてピルを飲み続けていたけど、結局治らなくて漢方と養生で治した原因不明の無月経。

アトピーが軽かったからあまり意識していなかったけど、アトピーは身体からのサイン。ステロイドで対処療法をするだけでなく根本治療もしないと、薬膳を始めて思いました。

アトピーのタイプ

アトピーにもタイプがあって、タイプ別に養生法が違います。

参考文献:『アトピーは中医学と薬膳で治す』著:植松光子

長男のアトピーのタイプ

長男を観察すると、ジュクジュクした感じは全くなく、熱と乾燥のタイプが混ざっているようです。

以下、長男を観察した具体的なポイントです。

舌は赤くて苔が少ない
      ⇓
舌が赤いのは身体の中に熱があることを示しています。
特に舌の先が赤くなっていることが多いのですが、舌先が赤くなっているのは心に熱があることを示しています。
苔が少ないのは、潤い不足。

食欲は結構ある。
下唇がガッサガサに乾燥している。
口内炎が良く出来る
       ⇓
過食や唇の荒れは胃熱という状態によく見られます。胃熱は字のごとく胃に熱がこもっている状態のことです。

味の濃いもの、揚げ物、カレーも好きだし辛い物もたべるし、こういう食べ物は胃熱の原因になります。
胃の熱が身体の中の潤いを損傷している。

時々、目が充血していることがある。
かんしゃくを起こすことが多い。
        ⇓
ストレスも熱なので、熱を発生させて乾燥の原因を作ってしまっている。
イライラ→ストレスによって肝の気の流れが悪くなる→肝が胃腸系を攻撃する→胃腸系がダメージを受けて消化吸収がうまく行かず食物から気を十分に作り出せない→血や潤い不足につながる。

また、怒って肝系の流れが悪くなると血も熱も全て上に上がってこのパワーが目や頭に行くと目の充血に繋がる。頭に血がのぼるってやつですね。

または逆に血が足りなくて目が乾いて充血しているのか…。

熱と乾燥があるので、食養生の方向性としては潤いを補い、熱を冷ますことにしました。

食で気を付けていること

潤す(滋陰食材)

潤いアップのための食材を意識。臓器や器官などを滋養し、潤いを与える働きをする腎陰を補うもので潤いアップを図ります。
さつまいも、エリンギ、おくら、白木耳、プルーン、いか、ほたて、かき、ぶり、豚肉、卵、バター、山芋

長男は白きくらげがあまり好きではないので、卵焼きやしゅうまいに混ぜています。

血を補う(補血)

血が不足すると、肌に栄養を行き渡らせることが出来なくなって乾燥するので、血も補います。
黒胡麻、黒豆、枝豆、人参、ほうれん草、プルーン、レーズンなど血を補ってくれる食材を意識。

人参と黒きくらげの甘麹佃煮、仕上げに黒胡麻もふりかけます

血が足りていないときは気も足りていないことが多いので、お米やイモ類など気を補う食材も取れているかチェック。

胃腸を整える

胃腸が整っていないと、消化吸収出来ないので薬膳の効果が得られくい。
胃腸を整えるために、胃に負担がかかる冷たいもの、脂っこいもの、食べ過ぎに注意しました。
胃熱のせいか氷を入れた飲み物が好きなのですが、なるべく氷は入れないようにせめて常温で飲んでもらうようにしていますが、時々自分で氷を入れて飲んでますけど。

揚げ物大好きだけど、揚げ物は熱が強いので頻度を下げて。
食べる時は大根の味噌汁やりんごなど熱を冷ましてくれる&消化を助けてくれる食材を一緒に。

食べ過ぎないように、よく噛むようにしてもらう。
よく噛むのすごく大事!

熱を冷ます

胃熱があるようなので、胃の熱を冷ますような食材を取ります。
熱を冷ますといっても、冷たい温度で食べてしまうと胃腸の負担となるので、なるべく温かい状態で食べるようにします。
豆乳、豆腐、緑豆、キャベツ、きゅうり、ごぼう、トマト、白菜、もやし、レタス、いちじく、キウイフルーツ、すいか、梨、バナナ、みかん、メロン、あさり、昆布、のり、わかめ、緑茶など胃に帰経する清熱効果のある食材を毎日取り入れるようにします。

長男はトマトやキュウリ、レタスなどが大好き。身体が欲しているのでしょうか。

おやつは和菓子に

おやつはケーキやチョコレートよりも和菓子、とくにあんこや黒ゴマを使ったおやつをなるべく出すようにしました。
でも、チョコレートも洋菓子も大大大好きなのでバランスを見て。

せんべいやクッキー、ナッツ類が嫌いなのは潤い不足だから、乾きものは嫌なのかな?と推測しています。

そのかわり、プリンやクリーム系のひんやりプルプルうるうる系のおやつは大好物です。

長男のアトピー改善のために作っているおやつレシピ、今度ご紹介しようと思います。

白きくらげミルクプリン
干し柿あんこ入りの胡麻団子
お豆腐餅に黒胡麻きな粉をまぶして

食事以外で気を付けていること

ストレスをためないようにする

ある時、寝る前に怒られて泣きながら寝た次の日、湿疹が見事に悪化していました。

「中医学は心とからだを分けて考えない」という事を深く実感した出来事です。

とはいえ、西洋医学でも、私が看護師をしていた時はがん患者さんの痛みの程度には精神状態が深く関わると習ったし、患者さんを看護するときはこころのケアも重要視していました。

どんなに良い食事を作っても、美味しく食べなければうまく消化されずにかえって身体の中に溜まってゴミとなってしまう。

怖い顔をして「これはアトピーにいいんだから食べなさい!」と言ってしまっては逆効果。怒ることももちろんたくさんありますが、怒りすぎてしまったと感じたら早めに誤って仲直り。

お互いにこころの毒をためないようにしています。

便通を整える

老廃物の排泄が滞ると皮膚トラブルの原因となります。
食べて、寝て、出す
。当たり前のことなのですが、この基本はとても大事です。
薬膳をやっていると何が何でも食べ物でどうにかしようと頭でっかちになることがありますが、食べることも大事だけど睡眠と排便コントロールも重要です。

今の時代、飽食の時代。栄養の取りすぎも問題の一つ。
薬膳の先生が一番最初の授業で話していましたが、「巡らせる、排出する、デトックスも今の時代にはとても大事」とおっしゃっていました。

中医学の先生も子どもは便秘で熱出たりする。便秘が治った途端、熱が下がったりするほどと言っていたし、便は最強のデトックスです。

長男は排便はきちんとあるようですが、常に排便コントロールも気を付けて身体の中に毒がたまらないようにしています。

大根、かぶ、りんご、トマト、にんじんなど消化を促す食材はよく食べさせるようにしています。

アトピーに非ステロイドの軟膏は効くのか?

①紫雲膏

生薬の塗り薬「紫雲膏」
紫雲膏は患部の血行を促して潤いを与え、炎症を鎮める働きがあり、やけど・ひび・あかぎれ・しもやけ・湿疹・外傷・痔核による疼痛・肛門裂傷等を改善していく薬です。あかぎれやしもやけにも効果があるのでアトピーのみならず、私もたまに使っています。

紫雲膏の配合
紫根(しこん)当帰(とうき)、胡麻油、黄蝋(おうろう)、
豚脂(とんし)

生薬の紫根と当帰などが配合されています。このアピトベール紫雲膏の処方と同じ生薬で作られているものです。
ドラックストアではなかなか置いていなかったので、ネットで買っています。

色は赤紫色をしていて、香りは油っぽい香りがします。

両膝裏。乾燥していて赤みがあり、痒いと。

服に色移りすると注意書きがありましたが、今のところシミになったりすることはありません。

アピトベールはアトピーに効果はあったか?

長男のわきの下、鼠径部、両膝裏、身体の側面などにかさかさして赤くぽつぽつとした発赤があったので、使用してみました。

最初は夜、お風呂上りに一回だけ付けていたのですが、朝と夜の2回塗るようになったらわきの下、鼠径部、身体の側面の湿疹はかさかさが消えて痒みもなくなりました

ひざの裏は、1週間ほど塗っていますが、改善してはいるけれどまだ少し赤くなったりかさかさしたりしています。

赤みのないかさかさとした肌には合っているようです。

②太乙膏(たいつこう)

膝裏の赤みがあってアピトベールではなかなか改善しなかったところに、②太乙膏(たいつこう)を塗りました。
2日ほどで赤みは引いて、アピトベールでは見られなかった改善が見られました。

太乙膏は皮膚の炎症をとる生薬と皮膚を潤す生薬からなり、皮膚病に広く使えるのが特徴です。

太乙膏(たいつこう)の配合
当帰(トウキ)・芍薬(シャクヤク)・地黄(ジオウ)、玄参(ゲンジン)・大黄(ダイオウ)・地黄、白芷(ビャクシ)・桂皮(ケイヒ)

色は薄黄色でちょっとカレー粉のような独特な香りがします。


紫雲膏と太乙膏の比較

アトピーの痒みによく使われる2つを比較している図があったのでお借りしました。

小太郎漢方製薬株式会社HPより引用

カサカサとした乾燥した肌には紫雲膏(アピトベール)
発赤して熱感があり、痒みが強い時は太乙膏

長男はこのアピトベールと太乙膏を買ってからは、とりあえずステロイドを塗らなくても落ち着いています。肌もしっとりとして滑らかです。

生薬の塗り薬でもなかなか良くならない湿疹にはステロイドも併用していこうと思っています。

アトピーについての参考図書

以下の本は参考に読みました。

⇓アトピーだけでなく、花粉症やアレルギー性鼻炎についてもタイプ別に原因と漢方薬が載っているので、薬膳を作る時の参考しています。

⇓通っている日本中医学院の理事長の奥さまが書かれた本。
ステロイドも必要な時は使いつつ、中医学と薬膳を通して、自然治癒力を高めながらアトピーを改善しようという実践しやすい本です。
レシピも書かれていて読みやすい。

⇓紫雲膏クリームのこともこの本で知りました。
具体的な中医学的なアプローチとその結果得られた症状の変化の症例がたくさん載っています。

⇓血液の滞りや不純物が皮膚病を引き起こすと主張し、汚血を改善するための食事や生活習慣のアドバイスを提供しています。

⇓中医学の本ではありませんが、Kindle Unlimitedで読みました。この食事方法を徹底すれば改善するのかもしれませんが、子どもに実践するのはなかなか難しいなぁという感想です。
出来る範囲で取り入れています。

まとめ

アトピーは色んな原因が複雑に結びついているので、一朝一夕に改善できるものではないと思います。

薬膳を学び始めてから、自分でもアトピーの情報を収集して試して、結果をみて、また軌道修正して試しての繰り返し。

まだまだアトピーの薬膳は完璧ではないですが、これからも学びを続け、体質改善していこうと思います


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