目をみはる古代人のオシャレ心
ヘッダー画像はネコの形をしたカーネリアンが付いた古代エジプトの金の指輪です。紀元前千〜7百年前の物と思われます。
ビタミンカラーのカーネリアンは、値段も安くて手軽に買えることから現在でも人気のある天然石。現在も古代も、日本もエジプトも、おしゃれのセンスはあまり変わらないってことかしら。
どんな人が身に付けていたのでしょうか。たぶん猫好きだったろうと思いますよ。
持ち主の手から離れて数千年近く、今は大英博物館のコレクションに含まれています。
2300年前の靴:シベリア南部、アルタイ山脈の氷の中から驚くほど良い状態で「赤いブーツ」が見つかりました。
なんと2300年も前の遊牧民族スキタイ人の墓にあり、汚れてもいなかったことから、高位の女性が履いていた靴と考えられています。
スキタイには、死後の世界で役立つかもしれない品物を副葬品として埋葬する習慣がありました。
彼らは紀元前2世紀頃まで中央アジアで栄え、他民族から非常に恐れられた遊牧の戦闘民族でした。
古代ギリシャの歴史家ヘロドトスが「スキタイ人を攻撃した者は誰一人として逃げられず、彼らが身を隠せば、なんびとも見つけることができない」と評したほどでした。
スキタイで発掘された遺体からは、女性も一戦士として幼い頃から訓練を受け、戦闘に参加したことがわかっています。
しかし、そんな戦闘民族の彼らが、緻密で美しい装飾品を数々作っていました。
このブーツには革や織物、錫箔、金、ビーズなど多様な材料が使われ、側面にはアヒルやハスの花のような複雑な模様、靴底には黒いビーズがあしらわれています。
赤いブーツは現在、ロシアの「エルミタージュ美術館」に展示されています。
約2千年前の古代ローマの化粧用クリームが、軍神マルスを祀る神殿の遺跡群から見つかりました。👇
AD2世紀に作られた世界最古のフェイスクリームかローションで、ふたに指跡があります。
研究雑誌「ネイチャー」によると、それぞれ全体の約40%を占める2つの主要成分は、おそらく牛や山羊の死骸に由来するでんぷんと動物性脂肪でした。
でんぷんは、皮膚の脂っこい脂肪感を減らすために加えられたのでしょう。今日でもボディローションやハンドクリームに同じ目的で使用されていますから。
残りの成分は合成酸化スズ(または錫石)でした。今ふつうに見るとグレーがかっていますが、クリームは元々は白く着色されていたようです。
スウェーデンのカール14世ヨハン王の葬式(1844年)にマグヌスブラヘ伯爵が着用した喪服です。なんとスタイリッシュで魅惑的!👇
人類のおしゃれ心は、古代から連綿と受け継がれているような気がします。