面白い本・好きな本|美しい世界に潜む数学[数字が明かす小説の秘密、数学する身体]
中学生の好きな教科は?
意外だけど、1位はだいたい毎年数学となっている。でも、嫌いな教科は?というアンケートをとっても1位はいつも数学。好きな人はすごく好きだし、嫌いな人はすごく嫌い。数学ってそんな科目。
ちなみに高校時代の得意科目と年収には相関関係があり、数学が好きだった人は、将来の年収も高い傾向がある。理科、社会と続き、5教科で一番年収が低いのが国語好きの人なんだって、、
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俳句も短歌も素数ででてきてる
俳句の五・七・五はすべて素数。そして、5+7+5=17も素数。短歌は五・七・五・七・七なので素数。そして、合計31字はもちろん素数。日本文化に素数が見え隠れ。
さらに、小説が名作かどうかも数学でわかる。とても、ゆっくり、あたかも、おそらく、という文章を細かく説明する表現は、名作にあまりでてこない。名作になるほど副詞がない。そして一番副詞を使わない作家はヘミングウェイ。
なんか納得。
数学のカタチ
小難しい数学も、カタチで表現すればわかりやすい。九九は丸暗記するものではない。縦と横のマスの数で答えがわかる。
素数もカタチで理解する。コマのような点対称に丸を並べる場合、ひとつの円になるのが素数。丸がまとまったり、2重の円になると、それは素数ではない。素数だけが数珠のようにひとつの輪っかになってしまう。
ということで、数学の世界が楽しめる本でもどうでしょう、という話。国語にも歴史にも潜む数学を、数式なしで読んでみる。奥深き数学の世界へ。
数学はとっても美しい
数字が明かす小説の秘密
統計で読み解く小説
文章には作家の個性が現れる。名作のテキストデータを統計的に解析すると、ある傾向が見えてくる。
叫ぶひとは女性が多く、ニヤリと笑うのは男性が多い。「the」と「and」がどれだけの頻度ででてくるかカウントするだけで、作家の名前が特定できてしまう。特徴もなにもない「the」と「and」の数だけでも作家それぞれに使いかたの癖がある。
そして一番わかりやすいのが、名作には副詞が少ないという傾向。副詞を減らせば減らすほど、名作になる確率は上がっていく。
これであなたもヘミングウェイ?
数学する身体
数学も言語も身体性がカギとなる
数学と体がどう繋がっているか考える本。小さい子は、指を使って数を数えたり、鉛筆で数字を書いたりすることで、だんだん数や計算の意味を理解するようなる。
この「指を折る」動きや「書く」動きが、実は数学をわかる手助けをしている。体を動かしながら数学を学ぶことが、頭の中だけで考えるよりも、ずっと深く数学を感じられる、と。
数学も言語も、どちらもキーは身体性
書籍『言語の本質』では、もぐもぐやドキドキといった身体性を言語化したオノマトペが言語理解のキーになるという。
メロンと聞いて、色や模様、匂いや手触り、甘酸っぱいといった味覚まで、メロンを食べたことがあるヒトは知っている。では、AIはその特徴を答えることはできても、身体に根ざした経験がないとき、それは「知っている」とは言えない。「知る」「理解する」に身体性がカギとなる。
数学は頭の中の高尚なものではなく
すぐ傍にある身近なもの
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