怒りは、チャンス
最近、どんなことで腹が立ちましたか?
どんなことによく腹が立ちますか?
自分がいつ、どんなことにイライラするのかを観察していくと、自己理解が深まります。
周りの人がいつ、どんなことにイライラしているのかを観察していくと、他者理解が深まります。
腹が立ったことを「ムカつく~!」で終わらせるなんて、腹が立っている人を見て「あんなことでキレてるなんて、頭おかしいよね」で終わらせるなんて、もったいなさすぎる!
怒りは、チャンスです。
自己理解の、他者理解の、チャンスです。
せっかくエネルギーを爆発させるんです。
そのチャンス、上手に活かしていきませんか。
怒りから分かること
私は仕事柄、誰かや何かに怒っている人にたくさん出会います。
怒りを爆発させる人、怒りすぎて不信感でいっぱいになる人、自分の怒りに気づかず落ち込む人…
表現方法はさまざまですが、その元にある怒りにはある傾向があります。
ABC理論というものを
聞いたことはあるでしょうか。
(A)できごと Activating event
(B)信念 Belife
(C)結果 Cosequence
の頭文字をとって、ABC理論。
(A)何かのできごとや現象に対して
(B)どう考えるかによって
(C)腹が立ったり、落ち込んだりするよ
というこの考え方、とても役に立つので解説していきますね。
なぜ腹が立つのか
「電車内で騒いでいる若者に腹が立った」
を例に考えていきます。
電車内で騒いでいる若者がいた
これは(A)できごと
そして、腹が立った
これは(C)結果。
つまり、騒いでいた(A)→腹が立った(C)
あれ、(B)はどこに行った?
(B)は信念。自分が正しいと信じていること。
普段「〇〇は△△すべき」という形で語られることが多いものです。
前回の記事にも少し登場させました。
今回の例の場合、(B)信念は例えば
「電車内では静かに過ごすべきだ!」
私たちはつい
「電車で騒いでいる(A)→腹が立つ(C)」
と考えてしまいがちですが、実はこれ
元々「電車内では静かにすべきだ!」という信念をもっていて
↓
その信念が騒ぐ若者によって刺激されて
↓
だから腹が立つ!
という現象が起きているわけです。
この(B)信念は、普段なかなか自分で認識することはできません。
「当たり前」だと思っているからです。
私もたくさんもっているし、あなたもきっと、たくさんもっています。
電車内では静かにすべき
話している時はスマホは収めるべき
挨拶は後輩からするべき
始めたことは最後までやるべき
仕事や学校には休まず行くべき
授業には集中するべき
家族はこうあるべき
親なら私の話を聞くべき
上司ならこれくらいのことをするべき
友だちなら私にこう声をかけるべき
などなど、普段はちっとも意識していない「べき」が私たちの中にはたくさん眠っています。
そして、この眠っているたくさんの「べき」に出会える瞬間が、腹が立った時なんです。
だから腹が立った時は、せっかくのチャンスですから、自分を知る機会として捉えてみてほしいんです。
電車内で騒ぐ若者を見てイラっとした時に、少し立ち止まって考える。
あれ、私、イライラしてる。
なんでイライラするんだろう。
電車内だからか?若者だからか?
いや、若者じゃなくてもイライラはするなぁ。
じゃあ電車だからか。
そうか私は「電車内は静かにするべき」と思ってるんだね。
ふ~ん。なるほどね〜。
(B)信念が引き起こす問題
誰もが当たり前にもっている信念。
信念があるからこそがんばれることもたくさんあるし、だから別に悪いものではないのだけれど、一方で困ったことを引き起こしてしまうこともあります。
よくみられるものを以下に2つご紹介します。
❶強すぎる
1つ目は、信念が強すぎる場合。
例えば「仕事や学校には休まず行くべき」は、別に悪いことではないですよね。
適切に働けば「めんどいけど今日もがんばるか」と思えます。
でも、この信念が強すぎると、いろいろと不具合が起きてしまいます。
怪我や病気、調子が悪い、どうしても事情がある。
それなのに「休むのは悪いこと」と無理をしてしまう。
1日や2日ならまだしも、何か月も何年も無理をし続ければ、当然心身のバランスを崩してしまいます。
またようやく休んでも「休むのは悪いこと」の思いが強すぎて、自分を責め続けてしまい、休んでいても休まっていない。
がんばりすぎてしまう人や学校に足が向きにくくなったお子さんによく見られます。
学校には毎日行くべきで、だからずっと無理をし続けてきて、学校へ行こうとすると体調を崩すようになって、だから欠席するのだけれど、「休んでしまった」「悪いことをしている」の思いが強すぎて、ちっとも緊張がほぐれない。
だから体調は良くならないのだけれど、お父さんもお母さんもイラ立っているし、だからやっぱり悪いことなんだと思うけど、そうやって緊張が高まるから、余計にちっとも休まっていない。
こんな現象、とても多いです。
❷他人に課してしまう
信念を自分に課すだけでなく「当たり前のことだ」と思って他人にも課してしまう場合。
ずばりこれ、モメます。
例えば「友だちなら私にこう声をかけるべき」
と私は思っている。
でも、友だちは声をかけてこない。
え、私がこんな状況なのに?
なんで見て分からんの?
なんなんだアイツは!許せん!
アイツなんかもう友だちじゃない!
「友だちなら…」「家族なら…」「上司なら…」「親なら…」「子どもなら…」「先生なら…」「生徒なら…」「先輩なら…」「後輩なら…」
そんな信念を相手に課して、もちろんちっとも叶わなくて、怒って怒って。
よく出る言葉は「裏切られた!」
でもね、相手は裏切ったつもりなんかないんです。
卑劣な人間だからではなく、そんな信念をもっていないからです。
自分の周りにいる人が、自分と同じ信念をもっているだろうなんて、思わないことです。
まとめ
自分や誰かの怒りに遭遇した時は、(B)信念に気づくいい機会だと捉えて、よ~く観察してみませんか?
「休まずに行くべきだ」という強すぎる信念や
「先輩の酒は飲むべき」という更新が必要な信念
「友だちならこうすべき」と他者に課してしまっている信念に
気がつく大きなチャンスです。
そして、そんな信念に気がついたら
「本当にそうなのかな…」と考える機会にしてみてほしいです。
選択肢が広がり続ける時代。
頭を柔らかくしておいても、きっと損はないのではないでしょうか。
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