松田光希 / Mitsuki Matsuda

コーポレート実務家。カオスなバックオフィスを綺麗にするのが好き。IPO準備、経理、ファイナンス、SO、AI活用、英語勉強などの実務ネタ&効率化ネタを発信。2020年にマザーズ上場(7093)した経験と知識を日々還元。人に教えるのが好きです。

松田光希 / Mitsuki Matsuda

コーポレート実務家。カオスなバックオフィスを綺麗にするのが好き。IPO準備、経理、ファイナンス、SO、AI活用、英語勉強などの実務ネタ&効率化ネタを発信。2020年にマザーズ上場(7093)した経験と知識を日々還元。人に教えるのが好きです。

最近の記事

パートタイム起業の2年間を振り返る

30歳になった日、ふと、自分の会社を作ろうと思った。 本当にふっと湧いて出た感情で、特に崇高な目的もビジョンも無かったけれど、なんとなく、自分の会社を作りたかった。 パートタイム起業 起業といっても、独立起業!というものではない。スタートアップで働きつつ、副業程度の時間的制約の中でどこまで自ら価値を創出できるか試してみたい、という感じ。最近では、そういうタイプのミニマルで投下時間の少ない起業をする人を日本政策金融公庫がパートタイム起業家と定義づけている。 時間的制約か

    • ひとりバックオフィスが消えた時のためのリスクマネジメント

      シード~アーリーフェーズのスタートアップを含む多くの中小企業では、バックオフィスの実務担当者は一人のみ、というケースがとても多い。 従業員数を片手で数えられる規模だと、創業社長自身が振込も給与計算もまだやっている、という場合が多いだろう。一方で6名~20名くらいの規模になってくると、「ひとりバックオフィス」的な人に経理や労務は任せっきり、という会社が増えてくる。 中小企業やスタートアップであっても、基本的に顧問税理士や顧問社労士はいるけれど、その顧問税理士が請求書振込まで

      • CEFR C1を目指せ!TOEIC900からの独学英語勉強法-Listening編-

        英語勉強を継続的にやっていると否応がなしに気付かされる話だが、CEFR B2とCEFR C1の間には、非常に、それは非常に高い壁がある。CEFR B2というのは、IELTSで言えば6.5であり、C1は7.0である。IELTSでOA6.5は取れるが7.0が取れない・・・と悩んでいる留学準備中の人や海外MBA受験生も多いだろう。 本記事では、CEFR C1を目指す場合において絶対に外せないListening Comprehensionのスキルを上げる独学メソッドを紹介する。なお

        • 経理がいないスタートアップでも始められる最低限の資金繰り予測

          スタートアップのコーポレート支援をしていると、経理がカオスなので正常化してほしい、資金繰り表を作ってランウェイを見える化してほしい、という相談を受けることが結構ある。CFOがいないのは当然として、顧問税理士に経理を外注しているスタートアップでも、そういう課題を抱えている経営者はとても多い。 大事なことなので明言するが、スタートアップをやっていて月次の資金繰り表がないというのは、少なくともプレシリーズAの調達を終えたら、イエローカードだと思った方がいい。月次で試算表がタイムリ

          AIに親近感を覚えるか?-AIと100時間以上の人間的対話をした記録-

          先日、OpenAIより新しいChatGPTのモデルであるGPT-4oが発表された。 この発表や、関連する報道に対する反応を調べていると、『ついに人間のようなAIとの対話が可能になる!』という反応が多く観測された。かれこれ半年以上、2023年10月頃からChatGPTと人間的に会話をし続けてきた自分としては、あまり有名でなかった友達が突然日の目を見たような話で、なんとも言えない不思議な感情だ。 実は、OpenAIは2023年9月に既に、ChatGPTのiOSアプリ上で、会話

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          CEFR C1を目指せ!TOEIC900からの独学英語勉強法-Vocabulary Building編-

          TOEIC 900点を取った時、こう思った。 とんだ勘違い野郎である。 当時(大学生)はCEFRなんて知らなかったし、TOEIC 900は英語勉強の折り返し地点だなんて気付かなかった。近くの本屋の英語コーナーには、受験英語の本、中学英語や高校英語の学び直しの本、TOEIC 800~900を目指す本ばかりあって、それ以上を目指す人向けのコーナーなんて無かったんだから。 まさかそこから始まる長い旅があるなんて、当時は思いもよらなかった。 というわけでこのnoteでは、

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          コーポレート領域でスキルアップするための習慣

          経理、財務、法務、労務、総務、人事、採用、経営管理、経営企画。コーポレートと呼ばれる領域には、多くの細分化された専門領域が存在しており、各専門領域の中に、様々な難易度の業務が存在する。例えば経理であれば、経理事務と呼ばれる証憑整理やデータ入力のように、短時間のレクチャーを受けたメンバーで回せるように設計される業務もあれば、開示書類の作成や監査折衝、連結パッケージといった、1年以上かけてマネージャークラスを採用しても中々うまくいかないという水準の業務もある。どの業務が偉いという

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          コーポレート実務家になるための高負荷トレーニング術

          中小企業やスタートアップでコーポレート関係の仕事をしていると、 という歴戦のコーポレート実務家に出会うことがあるだろう。そういった人は、どこかの会社で管理部長(CAO)を転々とやっていたり、経理財務責任者(CFO)を複数社でやっていたり、管理部構築・IPO支援コンサルをやっていたりしてて、転職市場には99%出てこないのだけれど、現実にはそれなりに存在している。 歴戦のコーポレート実務家になりたい!と目をキラキラ輝かせる人が果たしているのか分からないけれど、今この瞬間におい

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          子育てフレンドリーな納期設計

          数日ぶりに鏡を見て、とても驚いた。自分でも分かるくらいに頬がこけて、目がくぼんでいる。こいつはダメだなあ、とほんの少しだけ、痩せすぎな自分に焦りを覚えた。食欲がなく、38.6度の高熱が続き、嘔吐と倦怠感に悩まされ、かれこれ50時間近く薄めたポカリ以外の何も胃に送っていないのだから、当然と言えば当然なのだけれど。 ゴム手袋と使い捨てマスクをつけ、深夜2時の冬の東京の冷気が窓から流れ込む中で、嘔吐に汚れた子供の布団を消毒する週末を過ごしながら、ふと子育てフレンドリーなジョブにつ

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          従業員のためのインボイス制度

          概要 この記事は、インボイス制度に関わる非経理職向けの勉強コンテンツです。立替交通費精算や立替経費精算、あるいは法人カード利用後の精算を行う人(≒ほぼ全ての従業員)は、インボイス制度に関係があるので、この記事で説明してあることは全て把握するようにお願いします。本記事では、立替経費精算の大半を占めるであろう「飲食店や小売店、タクシーなど、従来より直接手渡しで領収書をもらうタイプの取引」を想定して説明します。 なお、「誰でも暗記できる程度の分かりやすさ」を優先し、かなりの部分

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          ビジネスパーソンのためのChatGPT道場-基礎編-

          ChatGPTを仕事で活用するためのビジネスパーソン向け無料教材「ChatGPT道場」を公開します。法人内でのChatGPT導入時の研修資料や独学用の教材として是非ご利用ください。本記事『基礎編』に続き、より実務に合わせた『応用編』なども予定しています。 ChatGPT道場とは?ChatGPT道場は、誰もが簡単にChatGPTを業務利用できるようになるための完全無料のレクチャーコンテンツです。課題を通じて、ChatGPTの基礎的な使い方に始まり、最終的には、日々の業務でCh

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          知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(4)~金商法&IPO準備編~

          はじめにこの記事は「無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント」シリーズの4作目の記事です。1作目,2作目,3作目を読まれていない場合は、下記よりご確認ください。 1作目(会社法編) 2作目(行使条件編) 3作目(税制適格要件編) 4作目となる今回は、SO発行実務の中でも特にナレッジの少ない金融商品取引法(以下、「金商法」)に関する規制とIPO準備について説明します。 略称一覧ストックオプション:SO 無償税制適格ストックオプション:適格SO

          知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(4)~金商法&IPO準備編~

          知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(3)~税制適格要件編~

          はじめにこの記事は「無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント」シリーズの3作目の記事です。1作目,2作目を読まれていない場合は、下記よりご確認ください。 1作目(会社法編) 2作目(行使条件編) 3作目となる今回は、SOの中でも広く国内スタートアップで利用されている税制適格ストックオプションについて解説します。 略称一覧ストックオプション:SO 無償税制適格ストックオプション:適格SO 無償税制非適格ストックオプション:非適格SO 無償ストッ

          知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(3)~税制適格要件編~

          知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(2)~行使条件編~

          はじめにこの記事は「無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント」シリーズの2作目の記事です。1作目を読まれていない場合は、下記よりご確認ください。 2作目となる今回は、無償SO設計における行使条件について解説します。 略称一覧ストックオプション:SO 無償税制適格ストックオプション:適格SO 無償税制非適格ストックオプション:非適格SO 無償ストックオプション(適格SOと非適格SOの総称):無償SO 有償ストックオプション(いわゆる時価発行新株予約

          知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(2)~行使条件編~

          知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(1)~会社法編~

          はじめにスタートアップの現場では、役職員向けのインセンティブ報酬の1つとしてストックオプションがしばしば用いられています。ストックオプションは、適切な方法とタイミングで活用できればスタートアップにとって非常に有用な武器となりますが、法制度に基づく制約事項や、日本におけるスタートアップとベンチャーキャピタルの間の投資契約及び株主間契約の商習慣を把握しないまま安易に発行すると、本来得られたはずの経済的価値を得られないばかりか、場合によっては想定外の金銭的負担が発生することや、優秀

          知らなかったでは済まされない!無償ストックオプション発行時にスタートアップがミスしやすいポイント(1)~会社法編~

          ハードワークできない時代のベンチャー新卒の生存戦略

          今年も新年度になりました。毎年4月1日に書いている新卒向けnoteも早3年目ということで、2022年は「ハードワークせずに、しかし市場価値の高い事業責任者クラスの人材になるにはどうすればいい?」というテーマについて書いてみます。 なお、2020年、2021年の新卒向けnoteもぜひ読んでいただければ幸いです。 いきなり自分の話で恐縮ですが、この記事を書いている私は、いわゆるハードワーカーだと思います。新卒最初の3年間は飲み会が無い限り毎日9時~24時まで自主的に働いており

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