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一流に触れて、心を磨いた日

私の誕生日、ホテルの中にある鉄板焼屋さんに夫が連れて行ってくれた。

まず、カウンターに座って目の前の鉄板を見てびっくり。
なんてピカピカで綺麗な鉄板なのだろう。
14時に予約していたから、私たちが席につく前にもたくさんお客さんが来ていたはずなのに、どういうことだろうね?と夫とこそこそ話した。


〝 紳士 〟という表現がぴったりなシェフが私たちの食事を担当してくれた。

最初にズッキーニとさつまいもとこんにゃくを焼いてくれたんだけど、とても大切なものを扱うようにひとつひとつ丁寧に焼いてくれた。

完成したら私たちのお皿にそれぞれ乗せて、おいしい食べ方を教えてくれた。
それからすぐに鉄板を拭き上げて、元通りのピカピカの鉄板になった。


なるほど!そういうことか・・・!
その都度、焼き終わる度に綺麗に拭き上げていたのです。
常に美しい鉄板、なんてプロフェッショナルなのだろう。


食材にも調理道具にも愛を持って接しているのが伝わる。
毎日毎日たくさん調理しているのに、流れ作業にならずにこんなにも丁寧に向き合っているなんて。
この仕事が大好きで誇りを持っていて、目の前のお客さんを大切にしてるんだなあ。

だから、大切に味わった。
こんなにも丁寧に作ってくださったのだから、こちらもしっかりと集中して丁寧にいただこうと思った。

鉄板を綺麗にした後はさっと自然に離れて、私たちがゆっくり食べやすいように、会話もしやすいようにしてくれて、そんな気配りも素敵。


メインのお肉はサーロインとヒレから選べて悩んでいたら、スタッフさんが「それぞれ違うのを頼んで半分こするのもいいですよ」って提案してくださって、それがいい!と、そうすることに。
どちらも楽しめて最高だった🤍おいしかった〜!

お肉も本当に丁寧に焼いてくれて、ナイフとカービングフォークをかっこよく使いこなして切り分ける作業も、見ていて楽しかった。


いつの間にか周りも満席で他のシェフも焼いていたけれど、焼き方、切り方がシェフによって違った。
みなさん丁寧だったけれど、私たちを担当してくれた紳士が、誰よりも丁寧で心を込めているように感じた。
紳士に担当してもらえて幸運だった。


一流とはこういうことを言うんだなあ。
ドレスコードはないけれど、一番お気に入りの服を着てきてよかった。
一番いい靴を履いてきてよかった。
一番いいバッグを持ってきてよかった。
そう思った。
じゃなかったら、シェフに、お店に申し訳ない気持ちになっていたところだった。
おいしいだけじゃなくて、たくさんのことを学んだ。


その綺麗な鉄板は開業時から50年以上使っているそうで、そのことを知ってさらに感動した。

そして私たちは、家のやかんを思い出した。
油汚れがびっしりこびりついたやかんを。。笑

油が飛ばなように気を付けたり、こまめに綺麗に磨いていたらよかったのに、どうしようもなく汚れてしまったやかん。
奮発して買ったお気に入りだったのに、全然大切にできていない。
鉄板にシェフの心が表れていたように、やかんに私の心が表れている。
ああ、恥ずかしいいいい!


やかんの油汚れを落とす方法を必死で調べたところ、ボンスターがいいという情報を入手して、さっそく次の日ボンスターを買って磨いた。
諦めずに無心で磨いたら、こびりついた汚れが綺麗に落ちてピカピカになった。
重曹では何度磨いても落ちなかったのに、ボンスターすごすぎる。おすすめです。


綺麗になったやかんが、かわいくて愛おしい🤍笑
心もクリアになった気分です。

これからもあの紳士のことを思い出してやかんを磨こう。心を磨こう。


。◯


心を今ここに。
目の前のもの、目の前のこと、目の前の人と、丁寧に向き合う。
そんな姿勢は、凛と美しい。


鉄板焼き屋さんで生き方を学んだのでした。

お読みいただきありがとうございました🍽️

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