【実験思考】 -ほぼ1,000字感想文
○タイトル:実験思考 世の中、全ては実験
○著者 :光本 勇介
○発行 :幻冬舎 (2019/5/9)
■ざっくり要約
著者は2017年、世間を賑わせた目の前のアイテムが一瞬でキャッシュに変わるアプリ『CASH』の仕掛け人。 著者曰く、すべてのビジネスは「実験」とのこと。CASHはまさにお金とモノの概念を再定義する実験であったと。
この思考方法は、柔軟なアイデアを出せるようになるのに加えて、失敗も価値として認識できるようになる。先が見えない時代だからこそ、人生全てを実験として楽しもうというメッセージが込められた一冊。
加えて著者が今興味を持っている領域やアイデアも紹介されており、「起業の天才」の頭を覗けてしまうのも魅力。
■学びポイント
○いらないモノは極限まで「削る」
著者がアプリを作るときに意識しているポイントとのこと。いかにユーザーが頭を使わなくてもいい表現と体験が醸成できるかに細心の注意を払っているそう。
これは、まさにユーザーファースト視点の根幹に当たる考え方。自分が作りたいモノを作るのではなく、それを使うユーザーをとことん想定するスタンスはとっても大事。意外にもこの視点が欠けたプロダクトは世の中に氾濫しているなと。
特に技術力に定評があり、実績を出している人/企業であるほど忘れがち。ユーザーの選択肢が多くなるこれからの時代ではやはり不可欠なポイント。
○「ズレが限界に達しそうな業界」を探す
著者が狙う市場を決めるときの基準。どんな業界でもビックプレイヤーが生まれると市場が成熟し安定する。一方で近年世の中の変化スピードが上がっている。ということは、ビックプレイヤーが築いた"当たり前"と"現実"がずれていく。これがまさにズレ。
このズレを的確に捉え、次なるスタンダードを提言できた者が、市場を奪っていく。
○価値の翻訳サービスという市場
モノやサービスがありふれた時代、それぞれの価値を決める査定軸を担う市場が面白くなるという著者の見立て。全く同意。
モノのシェアリングから個人のスキルや時間のシェアまで生まれている時代。ある意味でそれらの価値を可視化し担保する仲介は、適正取引を守るために重要性を増すのだと感じた。
「お金」も中央銀行が存在することで信用が担保されているわけで、その領域が異種格闘技になりつつあるとも言えそう。結局「価値」とはなんなのか?損とは?特とは?このテーマは、かなり面白い!
↓出典元
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