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【寝てもとれない疲れをとる本】 -ほぼ1,000字感想文

○タイトル:寝てもとれない疲れをとる本
○著者  :中根 一
○発行  :文響社 (2017/9/29)


■ざっくり要約

著者は、数多くのエグゼクティブ層に「お抱え鍼灸師」として重宝されている人物。東洋医学の基本を分かりやすく説明し、現代人の生活に活かすヒントが詰まった一冊である。

 著書のテーマである「疲れ」は、ビジネスマンにとって常態化している問題の一つ。冒頭には著者が知識と経験によって構築したタイプ診断が紹介され、タイプに応じた対処法を学ぶことができる。

 理想論を掲げるだけでなく、実生活にも取り入れやすい手軽な方法論が多いのはありがたい。自分も一度鍼灸の施術を受けたいと率直に思わされた一冊。

■学びポイント

○「誰にでも効く疲労回復法」はない

テレビをはじめとしたメディアでは、「健康法」はキラーコンテンツ。しかし本来、本当に効果が期待できる方法は人によって様々。ある人には効果があるが、そうでない人にはかえって逆効果ということも。

ステレオタイプ的に紹介をされている「疲れの取り方」では根本的な回復には至らないケースがあるということを自覚しておく必要がある。


○東洋医学の観点では栄養ドリンクは疲れは取れないと言える

東洋医学では「陰陽」という考え方があり、"陰"は休息を表し、"陽"が活動を表す。本来、この二つは表裏一体で、 蓄えた"陰"の分だけ活動をするというのが基本になる(これを陰主陽従という。)

栄養ドリンクは、疲れている体に"陽"をチャージすることで、一時的に活動ができるようにするもの。つまり無理を効かせて活動はできるが、"陰"を司る休息ではない。

よって「エネルギーをチャージしても、疲れはとれていない」ということになる。栄養ドリンクに頼りすぎるのではなく、自身の体にあった陰陽バランスを見定め、整えることがとても重要。


○「入浴」と「食事」の順番を変えるだけで疲労回復度が向上する

東洋医学では「昼は筋肉を働かせ、夜は内臓を働かせる」という基本的な考え方がある。これは交感神経を働かせる「活動系の時間」と副交感神経を働かせる「急速系の時間」という自律神経の考え方と一致する。

食事は、内臓が働き始める副交感神経が働いている時であり、睡眠もまた同様の時間。一方で「入浴」をすることは交感神経を刺激し脈が早くなってしまう。

現代人の多くは「夕食→入浴→睡眠」という生活リズムだが、自律神経の働きでみると、食事で休息モードに入った体を、改めて活動モードに変えている状態と言える。

この順番を変えて、スムーズに休息モードを維持するだけで、疲労回復には効果的である。


↓出典元

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