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【渋沢栄一に学ぶ】「論語と算盤」で人生を豊かにする方法

はじめに

 みなさんは、「論語と算盤」という言葉を聞いたことがありますか?これは、日本の近代経済を支えた渋沢栄一が提唱した考え方で、「道徳」と「経済」の調和を意味します。道徳の教えを柱としながら、経済活動を正しく行うことで、より良い社会を築けると説かれています。この考え方は、私たちがビジネスや日常生活においても活用できる、普遍的な価値観です。

 この記事では、渋沢栄一の思想を詳しく解説し、「論語と算盤」をどのように日常に取り入れるべきかを考えてみます!




渋沢栄一とは?

 渋沢栄一は、1840年に生まれ、2024年から新しい1万円札の顔にもなる人物です。彼は明治時代、日本が近代化を目指していた時期に、数多くの企業を設立し、日本の経済を支える基盤を作りました。

 例えば、現在の東京証券取引所や第一銀行(現在のみずほ銀行の前身)を設立し、ビジネスと社会の両方を発展させることに尽力しました。

 その渋沢が生涯にわたって指針としたのが「論語」という古典と、商売を象徴する「算盤(そろばん)」でした。この2つを組み合わせた「論語と算盤」という考え方は、現代でも価値のある教えとして注目されています。


論語と算盤とは?

 「論語」とは、中国の思想家・孔子(こうし)の言葉や教えをまとめた書物です。この本には、「人としてどう生きるべきか」「他人とどのように接するべきか」といった、人間関係や道徳についての深い教えが含まれています。

 一方、「算盤」は、商売や経済活動を象徴する道具です。お金を扱う際に使われた昔の計算道具であり、ここでは「経済的な合理性」を意味します。

 渋沢栄一は、この「論語」と「算盤」を組み合わせることで、道徳と経済のバランスを取る重要性を説きました。簡単に言えば、「お金を稼ぐだけではなく、それをどう活かすか」「人としての正しい行いを基盤に経済活動を行う」という考え方です。



士魂商才:武士の精神と経済力の融合

 渋沢がよく使った言葉に「士魂商才(しこんしょうさい)」があります。これは、「武士の精神」と「経済の才覚」を融合させた概念です。

 武士道の精神は「誠実さ」「正義感」を重んじますが、江戸時代の武士たちは「お金を稼ぐことは卑しい」と考え、経済活動を避けていました。その結果、武士の多くは経済的に困窮してしまったのです。渋沢は、この考えを改め、「道徳(武士道の精神)と経済活動のバランスを取ることが大切」と主張しました。

 彼は、「人格を形成することが商売の成功に直結する」と述べ、人格形成の基盤として「論語」を実践することを勧めています。



世界平和につながる「論語」の教え

 渋沢が重視した「論語」の教えには、特に有名な一節があります。それが「己の欲せざる所は人に施すことなかれ」(自分がされたくないことを他人にもしない)です。この教えは、個人間の関係だけでなく、国際社会でも重要だと渋沢は考えました。

 彼は、「他国に迷惑をかけることなく、共存共栄を目指すこと」が世界平和の基盤になると述べています。この考えは、グローバル化が進む現代においても非常に重要です。他者を思いやる心が、国を超えて幸福をもたらすと渋沢は信じていました。



なぜ「論語」は今でも読まれるのか?

 「論語」は、約2,500年前に書かれた本です。それなのに、なぜ現代でも読み継がれているのでしょうか?渋沢はこう言っています。

「論語は、人間の普遍的な真理を教えているからだ」と。つまり、どの時代でも通用する、人間関係や生き方についての知恵が詰まっているということです。「論語」の教えは、時代を超えて共感を得られるものであり、そのため、今でも私たちの人生に役立つのです。


「論語と算盤」を日常に取り入れる方法

 現代の私たちも、渋沢の「論語と算盤」の精神を日常生活に取り入れることができます。以下の3つのポイントを実践してみましょう。

1. よく稼ぎ、よく使う

お金を稼ぐことは悪いことではありません。しかし、それを無駄に浪費するのもよくありません。渋沢は、「お金を集める方法だけでなく、正しく使う方法も学ぶべきだ」と述べています。稼いだお金を社会や自分の成長のために役立てることを心がけましょう。

2. Win-Winの関係を築く

ビジネスや人間関係では、自分だけが得をするのではなく、相手も喜べるような関係を築くことが大切です。「相手の利益を考えることで、自分の利益も自然と得られる」という渋沢の考え方を意識しましょう。

3. 成功時こそ気を引き締める

渋沢は、「成功しているときこそ、謙虚さと慎重さを忘れないように」と説いています。成功に酔いしれるのではなく、長期的な視野で物事を判断することが重要です。


終わりに

 渋沢栄一の「論語と算盤」の精神は、現代の私たちにとっても非常に参考になる教えです。道徳を基盤に経済活動を行い、他者との共存共栄を目指すことで、より良い社会と人生を築けるでしょう。私たちも「論語と算盤」の教えを日常生活に取り入れ、より豊かな人生を目指していきませんか?

おすすめの一冊

今回ご紹介した『声に出して読む渋沢栄一論語と算盤』は、渋沢の思想をわかりやすく学べる一冊です。この本を通じて、自分自身の精神的支柱を築くヒントを見つけてください。


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