【ショートショート】鬱抜けモコモコぬいぐるみが世界を救う。
※主人公は男性博士という設定で書いています。
鬱抜けモコモコぬいぐるみ。という、なんとも怪しい発明品を、とある博士が開発した。
この鬱抜けモコモコぬいぐるみの使いかたは簡単で、胸まわりの服の中にいれてぬいぐるみの鼻だけ出させる。
するとぬいぐるみ使用者の鬱の原因となる悲しさや辛さや怒りや恐怖を、すべてモッコモコのふっわふわのぬっくぬっくに変換して心の中にハッピーを溢れさせることができるのだ。
この世紀の発明品を、怒り狂い世界に戦争を起こそうとしている独裁者にプレゼントをするべく博士は自らこのモコモコぬいぐるみを持ってスーパーテレポーテーション装置に乗り込んだ!
博士の助手たちは「きゃー!博士!かっこいい!」と黄色い声援をあげて博士が独裁者の元にいくのを見送った。
博士のテレポーテーションは無事に上手くいき、独裁者のもとに無事に辿り着いた。
博士はモジモジしながら、
「このぬいぐるみを服の中に入れると幸せになれます」
と独裁者に説明した。
独裁者は眉間に皺をよせ、銃を持ちながら、博士を威嚇したが、鬱抜けモコモコぬいぐるみのあまりの可愛らしさにたまらなく癒され、独裁者は思わず服の胸のなかにぬいぐるみを入れた。
その瞬間にぬいぐるみが独裁者をハッピー成分で包んで、もっこもっこの幸せラブリー鬱抜けミラクルパワーを発揮した。
鼻だけ出したぬいぐるみは独裁者に「love and peace」とウインクをした。そして「ずっと一緒だよ♡もう二度と寂しくさせない♡」とぬいぐるみは独裁者をぎゅーっと抱きしめた。
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