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漠然と自信が持てない人が無関心になっていること

普段、それなりに人から評価を受けることがある人で、自信がありそうな雰囲気の人でも、『頑張っている割に漠然と自信が持てない』という悩みを抱えている人が意外と多い。

こんな人が、いつも何に強い関心が向いているかというと、自分が望む理想的な成功を手にするための情報を得ることだ。そしてそこに早く到達するために自分を奮い立たせている。

そうすることで、自信が得られ、自分を『心から肯定することができる』と信じているからだろう。

特に今のような世の中では、自分にないものを持っていると感じる人が沢山目に入り、いつでも他者と自分を比較できてしまう。
自分にはこれが足りてない、あの人みたいになりたい、と感じるたびに、理想や目標もどんどん入れ替わっていく。

こうして、常に今の自分に足りないものに目を向け、理想の自分に早く近づくことこそ、自信を持つ上での最優先事項だと考えている。

こんな風に向上心もあり、積極的に理想や目標に向かって頑張っているのであれば、そんな自分を肯定し、自信が湧いてもいいはずだ。

それなのに『漠然と自信がもてない』状態が続いているのなら、あることに無関心になってしまっていることで、たとえ無自覚であっても、今の状態で理想に向かって頑張ることに実は不安や疲れを感じているのかもしれない。 

そんな不安や疲れを誤魔化して過ごしていることで、他者に負けない程の積極的な行動の割には、望んでいる理想の結果は得られず、その理由もわからない。だから自分に自信がもてないのだ。


ここで、小学生くらいの子の気持ちを想定して書いてみた。
次の文章を、あなたが読んでどう感じるか、自分の心に意識を向けてみて欲しい。


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わたしのお父さんはほとんど褒めてくれたことがない。時々テストで100点取れても、先生に褒められても、お手伝いしても、運動会で全力で走っても、『もっとお前は頑張れるだろ?』っていつも言われてる。

わたしは『頑張った!』と思った気持ちを、お父さんに聞いてもらいたくて話かけるのに、いつもお父さんは、もっと頑張るための話をする。

そんな話の最後は、いつもこうだ。
『今のお前じゃまだダメなんだ。もっと頑張らないと!今に満足しないで、頑張り続けてこそ成功するんだぞ! そうしたら自分に自信が湧いて、堂々と生きていけるんだ!

…頑張り続けて成功している人は凄いと思う。
でも、わたしは何に成功したいんだろう…。
なんだかまだよくわからない。
でもとにかくお父さんは、今のわたしのことを『まだダメだ』と思ってる。

お母さんに『わたし、頑張って成功できるかなぁ?』って聞いたら、『お父さんの言う事をちゃんと聞きてたら大丈夫よ。』って言ってた。

だからわたしは頑張らなくちゃいけないんだ。 

でも…。本当はもう疲れちゃた。わたしはずっと頑張れるのかな。
お父さんの言う成功者になれるのかな。正直言うと、全然自信がない。わたしは苦手なことも色々あるし、ものすごく頑張らないといけないと思う。それに、時々もう何にもしたくないって思ってることもある。
こんなこと考えているからダメってことなのかな。

もし、わたしが成功しなかったら…お父さんもお母さんもわたしのこと、どう思うのかなぁ…。

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この文章は、冒頭で記したタイプの人の、思考の部分を『お父さん』、感情の部分を『わたし』として表現したものだ。

あなたが冒頭で記したタイプの人であれば、この二人の関係性のようなパワーバランスが、自分自身の中で巻き起こっている可能性があるかも…と思って感じてもらいたい。

まず、この『お父さん』をどう感じるだろうか。
そして、この『わたし』の気持ちをどう感じただろう。

もし、あなたが『お父さん』の価値観よりも『わたし』の気持ちに共感が強く湧くのであれば、今までのあなたが、あなたの本当の感情に無関心でいたことに気付いたかもしれない。

世の中には『お父さん』の意識と同様の成功哲学や自己啓発も存在する。自分に自信を持つためにも、それらを参考にし、理想に到達するまで頑張らなければ、と思うのも無理はない。

だから、常に自分の中の『お父さん』の意識を優先し、自分の中の『わたし』の声を無視し続けてこそ、成功の近道だと考えてしまう。


でも、あなたの真の目的が『心から自分を肯定すること』ならば、あなたに今必要なのは、成功のための理解を深めることではない。

自分の本当の感情を知ろうとすること。無関心をやめること。これが今のあなたに一番必要なことだ。 

なぜなら、本当の感情に無関心なまま『心から自分を肯定する』ことなんて、永遠にできないのだから。




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