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#ダンカンバカヤロー
20年後のゴーストワールド
はじめに
2023年11月映画『ゴーストワールド』のリバイバル上映を観た。2001年公開の映画。あれから20年強経つ。私は歳取ってもフラフラして、毒吐いて、身勝手に傷ついて…今も消えたい気持ちで主人公イーニドとまるで変わらないままだった。
「イーニド、怖いこと教えてあげる。耳塞がないで聞いて!このまま20年くらい経ってもずっと変わらないで、うだつのあがらない人生を送ってる私みたいなのもいるんだよ
『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(6)個室でボディーシート
今回第6話を迎えます。読んでくださってありがとうございます。自虐も他虐もキツいですよね……すみません。しかし、この第1章は「私のシーモア」ですから。映画『ゴーストワールド』においてイーニドがシーモアの絵を丹念に描き続けたように、おじさんを描写していきます。またしばらくお付き合いください。
勘の良いあなたなら気づいているはず……こんなけっこうな文章量で第5話まで展開しておきながら、なかなか話が文学
『20年後のゴーストワールド』第1章・私のシーモア(14)ごめんなさいBOT
時は2023年12月31日。
そう大晦日である。話は第1話に戻る。
12月25日のクリスマスにドタキャンをかましたおじさんから、その後連絡はこなかった。
体調は良くなったのだろうか。
「最悪」とは思ったけれど、具合が悪いままならそれも心配だ。チバユウスケはずっと煙草を吸い続けて、たらふくビールを飲んだ人生で55年でその生涯を終えたばかりだった。おじさんもさほど年齢が変わらないので、いつなん時、
『20年後のゴーストワールド』第2章(6)さよなら、ゴーストワールド(最終回)
イーニドとひとしきり話をしたり、音楽を聴いたりしたけど、まだ話は尽きない。イーニドの目線が私のトートバッグを捉えた。バッグからポータルのカセットプレイヤーが少し見えていた。
「ねぇ、あなたカセットで何聴いているの?」
「あっ、これ?今聴いてるカセットは銀杏BOYZ。日本のパンクバンドよ。私はこのバンドのこのカセットがきっかけで、またカセットにはまったの。90年代の終わりから一時期カセットは古く